県議会は30日、蒲島郁夫知事が国に白紙撤回を求めた川辺川ダム建設計画(予定地・同県相良村)について、「環境的配慮と住民の安全が両立する治水策」を国に求める意見書を自民、公明両党の賛成多数で可決した。「ダム計画推進」という直接的な表現は避けたものの「治水にはダムが最適」という考えをにじませ、蒲島知事の表明に異を唱えた。【笠井光俊】 意見書では「知事は代替案を示さないままであり、ダムによらない治水対策が可能なのか判断できない」と主張。そのうえで「最大限の環境的配慮と最大限の住民の安全が両立する、より経済的な球磨川流域の治水対策案を速やかに提示」するよう国に求めている。 提案理由説明で、自民党県議は「知事の表明には、住民の命を守るという県の責務の観点がない。ダムの代替案はすでに議論が尽くされている。知事の表明は問題の先送りだ」と強調した。 民主・県民クラブ、無所属改革クラブ、新社会党などが知事の