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![『超・美術館革命 -金沢21世紀美術館の挑戦』~蓑豊著(評:澁川祐子)読破時間 1:30:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)
日経ビジネスオンライン連載中に賛否両論を巻き起こし、「日経らしからぬ(一応申し上げますと、弊社は日本経済新聞社とは別の会社です)」と、お褒めとお叱りを頂いた「U35男子マーケティング図鑑」が、大幅な加筆と再構成を加え、よりパワーアップして書籍になって帰ってきました。その名も『平成男子図鑑 ~リスペクト男子としらふ男子 』。 本書の出版を記念して、著者の深澤真紀氏がぜひ会ってみたいと企画したのは、若者を扱った話題の新書『若者はなぜ3年で辞めるのか? ~年功序列が奪う日本の未来』『搾取される若者たち ~バイク便ライダーは見た!』の筆者、城繁幸氏、阿部真大氏との鼎談だった! どうやら、書籍には書ききれなかった、U35(アンダー35)の男子世代への思いを、彼らとぶつけ合いたいらしい。お2人から快諾を頂き、話が始まるやいなや、バブル世代への怒りでいきなり噛み合った3人の大暴走が始まった。異論・反論、
映画館と観客の文化史 スポンサード リンク ・映画館と観客の文化史 映画史ではなく、映画館と観客の歴史を語る本。 郊外のシネマコンプレックスでブロックバスター作品を観るという、現代の日米での、映画鑑賞の典型スタイルができるまでに、とてもたくさんの視聴スタイルがあったことに驚かされる。 映画が生まれたころの、覗きこみ式装置のキネトスコープの時期には、1台で1分ほどの映像が限界だった。そこで6台並べて、1分1ラウンドずつの、ボクシング試合の映像を続けてのぞくというのが流行ったそうだ。演劇やコントの合間に上映されていた時代もあったし、日本では長い間、男女が分かれて座っていたこともあったのである。米国の1950年代のドライブインシアターでは、観客は自由におしゃべりし、食事をし、走り回り、ときには愛の行為に及んだりした。 席に座ってみんなで静かにロードショーを見るというのは映画史110年のなかで最近
「革新」はよいことだ。新しい優れた技術やビジネスモデルが出現するたび、それは何らかの「問題」を解決し、回り回って社会全体の利益になる。これまでなかったものを生み出すことは素晴らしい。確かにそのとおりだろう。 コンピュータについて考えてみよう。かつてはクレーンで窓から運び込まなければならなかった巨大な装置も、いまでは膝の上にちょこんと座るほど小さくなった。ミサイルの弾道計算やダムの構造計算などに用いられていたコンピュータの100万倍以上優れた性能を持つパソコンが世にあふれ、日夜ブログ執筆やネットショッピングに使われている。これは考えてみればすごいことだ。 技術者たちや起業家たちはそのような「よいこと」を実現するために、革新=イノベーションを生み出し続けてきた。その結果、社会は素晴らしく住みよくなって、人びとの悩みはすっかり消えてなくなった…。あれ、待てよ、ちょっと違うかも。 最新のコンピュー
陰翳礼讃 スポンサード リンク ・陰翳礼讃 谷崎潤一郎が日本の伝統美について語った古典的名著。日本的情感の本質をとらえたエッセイ。 難しい本なのではないかと少し構えて読み始めたが、意外にも、とてもわかりやすい内容でびっくりした。 「漱石先生は毎朝便通に行かれることを一つの楽しみに数えられ、それは寧ろ生理的快感であると云われたそうだが、その快感を味わう上にも、閑寂な壁と、清楚な木目に囲まれて、眼に青空や青葉の色を見ることの出来る日本の厠ほど、恰好な場所はあるまい。そうしてそれには、繰り返して云うが、或る程度の薄暗さと、徹底的に清潔であることと、蚊の呻り声さえ耳につくような静かさとが、必須の条件なのである。」 「思うに西洋人のいう「東洋の神秘」とは、かくの如き暗がりが持つ不気味な静かさを指すのであろう。われらといえども少年のころは日の目の届かぬ茶の間や書院の床の間の奥を視つめると、云い知れぬ怖
マイケル・ケンナ写真集 レトロスペクティヴ2 スポンサード リンク ・マイケル・ケンナ写真集 レトロスペクティヴ2 大型本で上質なプリント。 美しさに言葉を失う、息をのむ。 白黒の風景写真の傑作。 夜間の長時間露光(ときに10時間に及ぶ)や雪景色のハイキーでの撮影と、独創的プリント技術を駆使して、静謐で神秘的な光景を作り出す。マイケル・ケンナは、世界をありのままに写すのではなく、完璧な構図と表現意図をもって、1枚1枚を絵画のような美術作品に仕上げている。 モンサンミシェルやイースター島などの有名観光地の撮影はありふれたものになりがちで難しいはずだが、その技法によって独自の世界観へと異化し、見る者を魅了する。たぶん撮影地を訪れても、よくある風景しか見えないだろうと思う。これらの作品はマイケル・ケンナの心の眼が作り出す魔術なのだ。 巻末の解説にマイケル・ケンナはこう語っている。 「私は描写を超
大人の写真。子供の写真。 スポンサード リンク ・大人の写真。子供の写真。 53歳のカメラマンと姪の6歳の女の子が一眼レフカメラを持って表に出る。同じ場所を撮影した大人の写真と子供の写真を見開きに並べて、カメラマンがコメントを書く。その繰り返しで一冊の本ができあがった。コンセプトが素晴らしい。 「大人は作品にしようとする」「子供は撮りまくる」 「大人は意味を探そうとする」「子供にはもともと意味なんてない」 大人は構図を考えて画面に意味を作り出そうとする。それなりに整った絵になるがありがちなフィクションになってしまう。それに対して子供の写真は視線そのものだ。被写体を見たままに写しているから、見る者がそこから意味を汲み取ろうとする。大人の写真より、子供の写真の方が印象が強いものになっていたりして、面白い。 大人が街頭でスナップを撮ろうとすると写される側は警戒したり、構えたりしてしまう。子供が撮
国立の歯医者への往路と復路で読んだ本を2冊。金沢21世紀美術館の館長だった蓑豊さんの『超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦』と高城剛さんの『「ひきこもり国家」日本―なぜ日本はグローバル化の波に乗り遅れたのか』。 超・美術館革命の方は、同じフレーズが何度も繰り返されるところが実に新書っぽくあるが、金沢21世紀美術館が美術館の日本の社会における役割をいかに再定義したかということがよく理解できる。ただ有名建築家に建物を依頼するだけではだめだし、格好のいいコンテンポラリー・アートを並べているだけでもだめだ。 「ひきこもり~」、の方は『情報資本主義』という言葉が印象に残った。情報を持っているということはお金を持っているのと同じ価値があるという時代になっているということだが、まさにその通りだ。5千円しか持っていなくとも、1万円のレストランより美味しい店を知っていれば、その5千円は1万円以上の価値を
みんなが常識として捉えている事柄に、「それはウソ」とあえて反論を唱える人がいる。「この世の中、まちがっている」という正義感からであれ、「目立つことを言って、人気を得よう」という名声欲(あるいは金銭欲)からであれ。 だれもが右に向かって歩いている中で、あえて左に向かう。真っ白なキャンバスの中に黒い一滴の液を垂らす。世の中を支配する意見にあえてアンチテーゼを示すことは、注目を集めるうえで、効き目のある方法だろう。 結果、まったく主張が受け入れられずに、「そんな人もいたね」で片づけられる人もいれば、「世の中に“波”を起こした立役者」として英雄になる人もいる。 いま、その分かれ目に立っているひとりが、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』の著者かもしれない。名古屋大学大学院教授で、専門は資源材料学。政府の委員会や審議会の委員もつとめる人物が、「環境問題の常識に異を唱える」という戦いを繰り広げている
「日本」とはなにか ―文明の時間と文化の時間 スポンサード リンク ・「日本」とはなにか ―文明の時間と文化の時間 人類学者で「京都学」の提唱者 米山俊直の遺作。日本文明の本質を語る読みやすいエッセイ。 「日本文化は稲作文化が主流であると、私たちは思い込んできたふしがある。これは江戸時代の米本位制経済と、土地ことに水田所有にもとづく明治以降の地主制が確固たる私有財産の基礎となり、また食生活でも米が”主食”という観念が根強くつづいてきたためである。」 「日本人はお百姓さんだからリズムが二拍子なんだ」などという俗説をよく聞くが、百姓=農業という思い込みは間違っていると著者は指摘する。中世の「百姓」は多くが兼業農家で、農業以外の多様な職業も含まれていた。稲作の農家ばかりという一般的なイメージは実態と違っていたようだ。「縄文商人」が活躍した時代もあったという話もある。 「日本文明はふつう弥生以来、
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映像論―「光の世紀」から「記憶の世紀」へ スポンサード リンク ・映像論―「光の世紀」から「記憶の世紀」へ 「わたしたちは文字通り「映像の地球時代」に生きている。地球上のどこにいても、特定の地域の特定の情報を、いながらにして手に入れることが技術的に可能なのだ。」 テレビやインターネット、DVDを通じて、私たちはおよそ考えられる限りの映像を入手可能になった。その状況を著者は「ピクチャープラネット」と呼び、写真誕生から現在までの映像史を振り返るとともに、「そこでは見るという行為が、身体的な移動の経験と切り離されて、独立してしまう危険が常にある。」と問題提起をしている。 写真や映画は大衆心理の操作の道具として、前世紀から利用されてきた。戦争報道の写真を新聞に掲載したり、犯罪者のモンタージュで優生学の正当性を主張したり、プロパガンダは映画を積極的に取り込んだ。誰かが作り出す「スペクタクル」映像を人
誤解された仏教 スポンサード リンク ・誤解された仏教 本来の仏教は霊魂の存在をはっきり否定している。 「肉体はなくなっても、霊魂は残る。祭りを怠ると、その先祖が祟る。ーーーーーーーなどというのは、まったく仏教とは何の関わりもない話である。事実、長いあいだインドの仏教では、死者儀礼とは何の関わりももたなかった。」 「死者の祟りなどというのは、原始民族の宗教(?)心理である。わけても、日本人は死者の怨霊を恐怖した民族である。そうした鎮魂(御霊鎮め)には神主さんより坊さんの法力のほうが秀れている、ということで仏教が取り入れられた。これを「御霊信仰」という。」 霊魂がないのだから祟るわけがない。あの世もない。本来の仏教では死んだら終りなのである。生まれ変わりということもない。そもそも輪廻というのは解脱すべきものであって、転生は永劫の生き死にを繰り返す苦しいイメージなのだ。 これは仏教=無神論・無
ハーフサイズカメラ遊楽 スポンサード リンク ・ハーフサイズカメラ遊楽 ハーフカメラとは、80年代に流行したカメラの種類名だ。通常の35mmフィルムの1コマを横に分割して規定枚数の2倍を撮影可能にするのが特徴である。36枚撮りフィルムで72枚も撮れてしまうからフィルム代を節約できる。経済的ということで一時は大人気であったらしい。代表機種にオリンパス・ペン、キヤノン・デミ、リコー・オートハーフなどがある。 この本にはハーフカメラの魅力が、カタログ的な機種紹介と実写例多数、思い入れたっぷりのコラムで語られている。ハーフのファンにはたまらない保存版的内容。ハーフカメラでありながら一眼レフの、オリンパス・ペンFなんていう変わり種もある。交換レンズも数十本あって、ハーフ黄金期の憧れであったらしい。中古市場で今も2万円以上する。 10年以上前に新品市場からは姿を消したハーフカメラだが、21世紀に入って
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