朝、7時50分・・・頃。 パソコン、手帳、契約書。 紛失したら、数100万円の実損どころか、 それらをリカバリーするだけの時間と費用、 そして何よりも信頼が失われる。 山手線の大崎駅で電車を降りて、 階段を上り、財布を手元に持ち、改札を出る。 ぶわっと寒気がして、 本当に心臓が止まるかと思った。 電車の棚にカバンを忘れた。 口の中が乾いて、 軽く体が震えてくる。 気が遠くなりそうになる半面、頭は冴えた。 朝のラッシュ。 乗っていた電車はとっくに出てる。 電車は満員、探せっこない。 馬鹿だった・・・。 今日はカバンを二つ持っていた。 一つには税理士資格の勉強用の教科書一式。 もう一つは会社のカバン。 教科書用のカバンは肩から掛けて、 会社のカバンは棚の上に置いていたんだ。 社内で勉強の読書に没頭するために。 あまりに没頭しすぎていたからか、 降車駅の大崎に着いたとき、本を読みながら電車を出た