県内の主要23図書館で、1年間に5000冊以上の蔵書が不明になっていることがわかった。長期の返却忘れなどもあるが、大半が盗まれたとみられる。9月には、窃盗容疑で逮捕された宇部市の男(61)の自宅から見つかった約900冊が図書館の蔵書だったことが判明。大半の図書館が実効性のある防犯対策をとっていないのが実情で、識者は「県民の共有財産である蔵書の防犯対策は不可欠だ」と指摘している。(矢野恵祐) 読売新聞が県内の主な23図書館に取材したところ、各図書館が2010年2月~今年8月に実施した蔵書点検で、1年間に計約5130冊が不明になっていることがわかった。 不明図書の内訳は、11図書館が5~約100冊、別の11図書館が103~737冊で、最も多かった宇部市立図書館は1566冊にのぼった。点検時点で、防犯対策をとっていたのは、山口市立中央図書館など4図書館だけだった。 男の自宅から見つかった大量の蔵