『感性をみがく練習』(名取芳彦著、幻冬舎)の冒頭において、著者は「感情と感性の違い」はなんだろうかと問いかけています。 部屋に花を飾る時、季節のどんな花を、どのように飾るかは感性の担当です。そこに喜怒哀楽の感情が入りこむ余地はありません。 感性(sensibility)は、哲学の世界では理性よりも下に位置づけられているようで、意志の力で克服すべきものとして扱われることが多いらしいのですが、感性は理性より下位ではなく、感性という土台の上に理性が築かれていくものなのでしょう。ですから、感性という基礎をしっかり作っておくことが大切なのです。(「はじめに」より) 道端に咲く花を見て「根っこがあるから咲いている」と気づき、そこから「私も人生に綺麗な花を咲かせるために、人として根を張っておこう」と思うことができれば、自分を支える心の杖は太く、しなやかになっていくもの。 橋を見たとき「こちら側から向こう