エマヌエーレ・コッチャ。1976年イタリア生まれの哲学者。フランス社会科学高等研究院(EHESS)准教授。植物のあり方から存在論を問い直した『植物の生の哲学 混合の形而上学』(2016年)など著書多数 Photo: Christian Alminana / Getty Images for Montblanc パリの社会科学高等研究院(EHESS)で教鞭を執る哲学者エマヌエーレ・コッチャは、その斬新な思想により今もっとも注目を集める知識人のひとりだ。 新刊『メタモルフォーゼ』(未邦訳)を上梓したばかりのコッチャが、“イモムシから蝶へ”という生物の変態(メタモルフォーゼ)のメタファーを用いながら、ウイルスと人間の関係、その現在・過去・未来の連続性と「生」について論じた、「ル・モンド」紙のインタビューをお届けしよう。 外出制限で置き去りにされた「人間の社会的側面」 ──新型コロナウイルス感染症