2021年からさかのぼること30年前の12月25日、ソビエト連邦大統領ゴルバチョフの辞任をもって、世界最大の帝国ソ連が崩壊した。その時、何が起こっていたのか? 国民の反応はどうだったのか? 日常生活はどう変わったのか? モスクワに在住し、歴史的転換期の目撃者となった国際関係アナリストの北野幸伯氏が当時を振り返る。 ソ連とは何だったのか? 「ソ連」と言われても、若い世代はイメージできないだろう。そこで、まずソ連について、簡単に触れておく。 1917年、ロシア革命が起こった。そして22年、ソビエト社会主義共和国連邦(略称ソ連)が成立した。ソ連はユダヤ系ドイツ人カール・マルクスの共産主義思想をベースに創られた最初の国である。 共産主義とは、何だろうか。いろいろ説明はあるが、「万民平等で豊かな世界を目指した思想」と言える。こう書くと、いい思想なのか?と思える。 しかし、共産主義は人類歴史を「階級闘
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