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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (146)

  • 生命進化を実験室で

    「地球の歴史をまたやり直したら、果たしてわれわれは誕生しているだろうか」 これはアメリカの進化学者スティーヴン・ジェイ・グールド のベストセラー『ワンダフルライフ』で投げかけられた問いだ。 進化論はチャールズ・ダーウィンが『種の起源』を著して以来、当に多くの誤解に晒されてきた。 そのなかでも特によく見られる誤解のひとつが「優れた生物種や機能だけが生き残って進化してきた」というものだ。 いやもちろん、なんらかの意味で生存に適していれば生き残る確率は増える。 しかし"Survival of the fittest"で語られる自然選択説に対して、木村資生の分子進化の中立説が"Survival of the luckiest"で表現されるように、進化には偶然の寄与がとんでもなく大きい。 僕たち人間が37億年にも及ぶ生命進化の果てに誕生したのはただの偶然かも知れないのだ。 進化のテープを巻き戻して

    生命進化を実験室で
  • 宇宙誕生の138億年前から1秒もずれない「原子核時計」実現に一歩前進、日本人が活躍する「次世代型時計」開発の意義

    宇宙誕生の138億年前から1秒もずれない「原子核時計」実現に一歩前進、日人が活躍する「次世代型時計」開発の意義 <原子核時計が実用化されれば、地球や宇宙のどんな謎が解明されるのか。超高精度な「次世代型の時計」を開発する意味とは? 時間単位の歴史を踏まえて概観する> ヒトは、時間を客観的に確認する手段として時計を考案し、より精密に測定できるように開発してきました。人類の歴史とともに日時計、振り子時計、クォーツ時計と発展し、現在、実用化されているものの中では、原子時計が最も精度の高い時計です。 腕時計や壁掛け時計でおなじみの一般的なクォーツ時計は、誤差が1カ月で15~30秒になります。セシウム133を用いた原子時計は、最高精度のものの誤差は1億年に1秒程度です。 私たちが入手できるもの、つまり商業的に流通している時計の中で、もっとも正確に時間を刻むものは電波時計やGPS時計です。これらは、電

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  • 実は暴動の多いイギリスで、極右暴動が暴いた移民問題の真実

    <誤情報をきっかけに広がった極右による反移民暴動だが、イギリス世論は暴動や人種ヘイトを非難しながらも無秩序な移民急増にも反対している> イギリス各地で7月末に広がった極右による暴動から、ある程度の時間が経過した。暴動は犯罪で止めなければならず、加害者は法によって罰せられるべきだ、という当初の(まっとうな)反応から、より踏み込んだ洞察ができそうだ。 第1に、実際のところイギリスで、暴動はそれほど珍しくない。並べてランク付けだってできる。だから今回の暴動は2011年の大規模暴動以来「最悪」と位置付けられる。 2020年のBLM(黒人の命も大事)抗議運動の騒動よりも「深刻」で広範に拡大した。さらに7月中旬に中部リーズで起こった暴動(極右暴動とは無関係で、おそらく国外ではニュースになっていないだろう)も「かすませて」しまった。 1981年、1985年、1990年、2001年も暴動が頻発した。言い換

    実は暴動の多いイギリスで、極右暴動が暴いた移民問題の真実
  • 最低賃金の引き上げが、実は「企業のため」にもなる理由...労働者の生活を守るだけではない「意味」

    <最低賃金が過去最大の「50円引き上げ」によって1054円に。最低賃金には社会保障的な意味合いだけでなく、産業政策的な意味合いもある> 2024年度の最低賃金(全国平均)が1054円でまとまった。50円の引き上げは過去最大であり、それなりに評価できるものの、日経済の現状を考えると物価に賃金が追い付いたとは言い難い。 最低賃金は労働者に支払われる賃金の下限となるもので、毎年、金額が改定される。厚生労働省の中央審議会が金額の目安を提示し、各都道府県が地域の実情に合わせて最終決定する。現時点での全国平均は1004円となっており、今回、決まった目安は1054円なので、上げ幅では50円、率では5.0%となる。 最低賃金は労働者の生活を守るという社会保障的な意味合いと、企業の競争力を決めるという産業政策的な意味合いがある。最低賃金を上げれば低所得層の底上げにつながる一方、企業にとってはコスト増加要因

    最低賃金の引き上げが、実は「企業のため」にもなる理由...労働者の生活を守るだけではない「意味」
  • セブン買収提案と、日本経済の今後

    <急激な円安によって外国企業による日企業の買収は容易になっている> コンビニチェーンの「セブンイレブン」と総合スーパー「イトーヨーカドー」を展開する「セブン&アイ・ホールディングス」は、カナダのケベック州に拠があるコンビニエンスストア大手「アリマンタシォン・クシュタール」から買収提案を受けていました。 この動きですが、最新の状況ではアメリカの公取が、買収に異議を唱える可能性が高いという報道が出ました。日の「セブン&アイ」は、アメリカの「セブンイレブン」も保有していることから、両社の経営統合によって統合後の新会社が必要以上に強い力を持つのは違法だという見方です。つまり統合により、商品やサービスの価格が上昇し、消費者に悪影響を及ぼす恐れがある、そうした観点からアメリカの公取が介入するというストーリーです。 ということで、実際に買収が成立するかは不透明となっています。ですが、今回の買収提案

    セブン買収提案と、日本経済の今後
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2024/08/29
    "日本経済の衰退が加速するのを許すのか、それとも長い低迷の真因を理解して徹底的な改革を主導するのか"
  • 「セクシー発言」など問題ではない、小泉進次郎が農業改革に失敗した過去をどう評価するか

    <農林中金改革や補助金漬け農業からの転換を主張したが、結局は実現できなかった> 今回の自民党総裁選では小泉進次郎氏の動向が話題になっています。そんな中で、同氏が過去に「気候変動問題はセクシーに」という発言をしたとして「言葉が軽い」などと改めて批判されています。この発言は、5年前の2019年の9月に環境大臣として国連温暖化サミット出席のためにニューヨークに出張した際のものです。 そもそも、この「セクシー」という言い方は、クリスティーナ・フィゲレス氏というコスタリカの外交官の発言を引用しただけです。このフィゲレス氏というのは、パリ協定を主導した国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の事務局長だった人物です。また、この2019年の国連気候変動サミットの中心人物の1人でした。 責められるのは、そうした文脈を理解しないで表層的な報道をした当時のメディアです。小泉氏の立場としては、国連サミットに参加する

    「セクシー発言」など問題ではない、小泉進次郎が農業改革に失敗した過去をどう評価するか
  • 韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳

    <かつて「軍艦島」の世界遺産登録をめぐって日韓は壮絶な「歴史戦」を演じた。「佐渡の金山」も同じ状況になるかと思われたが、そうはなっていない。なぜか。> 2024年6月6日、日文化庁はユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)が、新潟県の「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録に関し、日に補足説明を求める「情報照会」を勧告したと発表した。具体的にイコモスは「登録を考慮するに値する価値を有する」とした上で、江戸時代より後の物証が多い一部地域を世界遺産の構成から除くべきだとして、日の説明を求めた。 この照会に対して、日政府が適切に回答し、その内容が評価されれば、7月21〜31日に開催されるユネスコ世界遺産委員会で登録が認められる。「佐渡島の金山」が世界文化遺産登録の暫定リストに登録されたのは10年だから、それから既に14年を経たことになる。 登録が

    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 中国人の命は空気よりも軽い

    <「命は時に鴻毛(こうもう)より軽い」と言われるが、中国人の命は鳥の羽どころか空気より軽い> 最近、日のあるニュースが中国をにぎわしている。領土問題? 歴史問題? そうではない。 話題をさらっているのは、中国人女子留学生が東京都内で中国人の男に刺殺された事件だ。このコラムでも1年前に紹介したが、殺されたのは都内の大学に通っていた江歌(チアン・コー)という24歳の女性。元カレから追い回されていた友人の「身代わり」になって被害に遭った。 江歌は小さい頃に父親を亡くし、母親が女手一つで育て上げた一人っ子だった。どの一人っ子の親も自分の子供が突然いなくなったら、という不安を抱えている。中国人がこのネタにヒートアップするのは、元・中国人の私にはよく分かる。 さらにこの問題を中国炎上させているのが、江歌の母親が犯人に死刑を求め、日で署名運動まで始めていること。日の司法では初犯で1人を殺しても死

    中国人の命は空気よりも軽い
  • コロナ後遺症ここまで分かった...「感染時は軽度」が90%以上、倦怠感から心不全まで影響は200以上

    <今年前半に出た報告書や科学論文によって、この複雑な慢性疾患の解明が進んだ。かかる確率は以前より下がったが、何年にもわたり複数の身体機能に健康影響を引き起こす可能性もあり、決して油断はできない> 2020年以降、新型コロナウイルスの後遺症は世界中で大きな問題になっている。何百万人もの人々の健康や生活の質(QOL)に影響を与えただけでなく、労働生産性や労働力全体の低下をもたらし、経済に数十億ドルの損失をもたらしてきた。 コロナ後遺症は科学的にもかなり注目されており、これまでに2万4000以上の論文が発表されている。人類史上、4年間でこれほどまでに集中的に研究が行われた健康状態は他に例を見ない。 SARS-CoV-2ウイルスへの感染によって引き起こされる、長期的な健康への影響の総称が新型コロナウイルス後遺症(long COVID)だ。 息切れなどの長期的な呼吸器症状から、衰弱性疲労やブレイン

    コロナ後遺症ここまで分かった...「感染時は軽度」が90%以上、倦怠感から心不全まで影響は200以上
  • 【10】グラス・スティーガル法無視がサブプライムを生んだ。

    銀行が証券の売買を行うのを禁止したことで有名なグラス・スティーガル法は、アメリカで1933年に成立した銀行法の通称。サブプライム危機を生んだのはこの法律だ。いや、正確に言えばこの法律の「否定」が、今回の危機の発生につながる大きな要因だったとする見方が強い。 グラス・スティーガル法は、1929年に始まった大恐慌への反省に基づいて作られた。大恐慌前には一般預金者のための銀行(商業銀行)も証券を扱うことができ、銀行自らの投資のためや一般に売るために株を買っていた。このため、株価の急落で損害を被った銀行が続々倒産し、閉鎖した銀行は1万行に及んだ。 証券取引は価格変動のリスクが大きい。つまり、高い利益を生む可能性もあるが大損もする。だから、個人の預金を預かって金融の仕組みの中心を担う商業銀行は参入すべきではない。それが制定に尽力したカーター・グラス民主党上院議員(元財務長官で連邦準備制度の創設者)と

  • パリ 日本大使館近くで銃撃事件 場所おかまいなしになってきたパリの治安

  • 腐り始めた「人権大国」フランスの魂 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    ロマの国送還を進めるフランスで、今度はブルカ禁止法が成立。そこには欧州の暗部と重なるパターンが見える フランスのブルカ禁止法案を、上院が賛成246票、反対1票の大差で可決した。憲法会議で違憲と判断されない限り、来年初めにも施行される。建国理念の「自由、平等、博愛」は失われた。 イスラム教徒の女性が顔や全身を覆うブルカの着用を禁止することで、フランスは中世の暗黒時代へ一歩、逆戻りしたことになる。それだけではない。異文化に対する不寛容は、フランスが自国文化に自信を失くしていることの表れだ。自信がないから異文化を攻撃し、さらに自分を傷つける。 ブルカ禁止法が施行されても、実際に影響を受ける女性の数は2000人程度と推定されている。フランスの政治家たちの尋常でない怯えようがわかろうというものだ。わずか2000人の女性が歴史あるフランス文化を破壊できると気で思っているなら、問題はブルカではない。

  • プーチンが継ぐ世界「独裁者の系譜」、その始まりはあの「大粛清」男

    <ヒトラー、金日成、チャウシェスク、フセインも、この系譜に連なる面々> 【腕時計】 プーチンが側近に怒鳴った。 「私の大切な腕時計が盗まれた! すぐに犯人を捜し出せ!」 翌日、側近が報告した。 「10人の容疑者を捕まえましたが、全員が自白したので10人とも処刑しました」 するとプーチンが言った。 「それはもういいんだ。腕時計は机の引き出しの中にあったから」 世界中の注目を集めるロシアのウラジーミル・プーチン大統領。彼の理想とする指導者は、かつてのソ連の最高指導者ヨシフ・スターリンだといわれている。 スターリンは若き頃より共産主義に傾倒。ウラジーミル・レーニン死後、最高権力者になると「大粛清」を敢行し、あまたの民衆を虐殺した。 第2次大戦時には日ソ中立条約を一方的に破棄し、北方領土を不法に占拠。性格としては「パラノイア(偏執病)」がひどく、これが未曽有の粛清の要因になったともいわれる。 そん

    プーチンが継ぐ世界「独裁者の系譜」、その始まりはあの「大粛清」男
  • マスターベーション反対運動の嘘

    自己矛盾 デラウェア州の共和党上院議員候補オドネルが参加していた自慰反対運動は「家族の価値」も脅かす Jonathan Ernst 急進保守派の市民運動ティーパーティーの支持を受け、米上院選へ立候補している政治コメンテーターのクリスティン・オドネル(共和党)。「性、ジェンダーおよび生殖のためのキンゼイ研究所」の所長に立候補している訳ではないのだから、彼女のセックス、特にマスターベーションに関する意見に目くじらを立てる必要はないのかもしれない。しかし、捨て置くには弊害が大きすぎる。何しろこれは、種の存亡にも関わる問題なのだから。 90年代半ば、オドネルはマスターベーションの反対運動に加わっていた。生殖器を「もて遊ぶ」もので、子作りを阻害する要因になる、と。しかし事実は反対だ。ゾウからネズミ、人類まで、その観察を通じてマスターベーションは健康な赤ちゃんを沢山作る素晴らしい方法であることがわかっ

  • ノーベル賞受賞はなくてもスゴかった! 2023年日本人科学者の受賞研究

    筑波大国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS) 機構長・教授の柳沢正史氏 出典:文部科学省ホームページ, CC BY 4.0(元画像を一部トリミング) <クラリベイト引用栄誉賞やウルフ賞の受賞者、さらには英学術誌「ネイチャー」の「ことしの10人」に取り上げられた科学者も。2023年に世界の著名な科学賞を受賞した日人研究者6名の研究成果を紹介する> 「最近、解明された重要な科学の知見は何だろう」と疑問が湧いたときに、多くの人が参考にするのが「ノーベル賞」の科学3賞(物理学、化学、生理学・医学)でしょう。同時に、科学界の最高栄誉であると認識して、オリンピックで日人が金メダルを獲得することを願うように「今年こそ日人がノーベル賞を受賞してほしい」と朗報を待ち望む人も少なくないはずです。 1901年から始まったノーベル賞で、日人(受賞時に外国籍の者を含む)は2023年までに25名が科学

    ノーベル賞受賞はなくてもスゴかった! 2023年日本人科学者の受賞研究
  • 「猫も人間が好き。ただ犬より愛情表現が分かりにくい」最新科学が解き明かす猫の本当の気持ち

    は社会性がなく冷淡なイメージだが、当は飼い主のことをどう思っているのか?犬との比較研究や実験による新たな発見から、の真実と上手な付き合い方が見えてきた> 動物行動学者のペーテル・ポングラッツは4匹の──クッキー、スシ、クランブルズにスティンキー──と暮らしているだけあって、のミステリアスな心を解き明かすための研究テーマには事欠かない。 ペットとして世界で人気第2位のは、人間に対してどんな感情を抱いているのか。飼い主のことをどう思っているのか。 とはいえ謎の解明を手伝ってくれる忍耐強く意欲的な大学院生は、そういない。 人間にいい子だと褒められ、ご褒美の骨をもらうためなら何だってする犬という研究対象がいるとなれば、なおさらだ。 ハンガリーのウトブス・ロラーンド大学で教鞭を執るポングラッツが研究の難しさを思い知ったのは、2005年のことだった。 を研究室に連れてきてもらったところ

    「猫も人間が好き。ただ犬より愛情表現が分かりにくい」最新科学が解き明かす猫の本当の気持ち
  • ゾウと共生する「優等生」のはずのスリランカに落第点?

    かつてのスリランカではゾウが街中を練り歩く姿は珍しくなかったが(写真は2014年のゾウ保護強化を求めるデモ) Dinuka Liyanawatte-REUTERS <ゾウと人間の衝突による双方の犠牲者は年々増加するばかり> 日で獣害と言えば、クマ、イノシシ、シカだろうが、スリランカでは、ゾウと人間との共生をめぐる問題が年々大きく膨らんできている。 インド洋に浮かぶ小島のスリランカ。多くの魅力が存在する国だが、海で最大の動物であるシロナガスクジラと、陸で最大の動物のゾウを一カ所で見られる珍しい場所でもある。 現在スリランカには約7000頭のゾウが生息している。1万2000頭ほどだった20世紀初頭と比べると6割にまで減少している。ゾウの主たる死因は農民による射殺や毒殺である。 アフリカゾウの場合は、オス,メスの両方に付いている牙が目当ての密猟者によって殺されることが大きな問題だが、その点スリ

    ゾウと共生する「優等生」のはずのスリランカに落第点?
  • ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」

    ハマスによる越境攻撃への報復として、イスラエル南部の境界付近からガザ地区を砲撃するイスラエル兵(11月6日) AP/AFLO <失われたアメリカの情報・判断力への信頼、民主主義国連合の亀裂。居直った中国ロシアがグローバルサウスを取り込み、世界の多極化を狙う> 今回のガザ戦争、その余波はどこまで広がるのだろう? 私見だが、悪しき地政学的展開が起きても、たいていは逆の好ましい力が働いて均衡を取り戻し、世界地図で見れば点のような場所で起きた出来事の余波が遠くまで広がることはない。危機や戦争が起きても、たいていは頭を冷やしたほうが勝つから、その影響は限定される。 だが例外はあり、今回のガザ戦争はそうした不幸な例外の1つかもしれない。 もちろん、第3次大戦の瀬戸際だと言うつもりはない。これが中東全域を巻き込む紛争に拡大するとも思っていない。 その可能性は排除できないものの、今のところ、レバノンのイ

    ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」
  • 「処理」された犬たちの首輪の山──韓国・犬肉農場のぞっとする光景

    Eerie Dog Meat Farm Photo Shows Pile of Collars Belonging to Dead Animals <農場主は20年以上にわたって用の繁殖や飼育、販売を行っていた> 韓国の動物愛護活動家たちが、犬肉農場で撮影したゾッとするような複数の画像を公開した。韓国では犬文化が今も残っており、こうした農場で電気ショックを与えて殺害した犬が肉処理され、販売されている。 韓国南部の珍島にある農場で撮影された画像の1枚は、農場内の屠殺場に積み上がった大量の首輪とリード。ここで無数の犬が殺され、肉処理されたことを物語っている。 そのほかの画像は、殺されずにすんだ65匹(数匹の子犬を含む)の犬たちで、動物愛護団体のLIFEとヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル(HSI)韓国支部が保護している。 農場主はここで20年以上にわたって、珍島原産である珍島

    「処理」された犬たちの首輪の山──韓国・犬肉農場のぞっとする光景
  • ラディカル・マーケットとは何か?──資本主義を救う「急進的な市場主義」という処方箋

    <世界経済の停滞や格差などの問題に対し、資主義そのものの修正を多くの経済学者が唱えてきた。しかし、根的な解決策が見つからないなか、穏健的な資主義とも急進的な社会主義とも異なる第三の道「急進的な市場主義(ラディカル・マーケット)」が提示され、注目を浴びている> 自由な経済活動を原動力とする資主義は経済成長をもたらし、私たちの暮らしを豊かにしてきた。一方で、近年は先進国を中心に世界経済が停滞し、広がる格差が社会の分断を招いている。深刻化する気候変動や世界的な金融危機によって、市場の失敗や資主義の脆さも明らかになりつつある。今まで自明の存在として受け入れてきた資主義という仕組みが揺らいでいるのではないか。こう疑念を抱く人も少なくないだろう。 では、現代の経済が抱える困難を克服するためにはどうすればよいか。大半の経済学者は、資主義の仕組みを修正することで、多くの問題を解決ないし軽減で

    ラディカル・マーケットとは何か?──資本主義を救う「急進的な市場主義」という処方箋