「地球の歴史をまたやり直したら、果たしてわれわれは誕生しているだろうか」 これはアメリカの進化学者スティーヴン・ジェイ・グールド のベストセラー『ワンダフルライフ』で投げかけられた問いだ。 進化論はチャールズ・ダーウィンが『種の起源』を著して以来、本当に多くの誤解に晒されてきた。 そのなかでも特によく見られる誤解のひとつが「優れた生物種や機能だけが生き残って進化してきた」というものだ。 いやもちろん、なんらかの意味で生存に適していれば生き残る確率は増える。 しかし"Survival of the fittest"で語られる自然選択説に対して、木村資生の分子進化の中立説が"Survival of the luckiest"で表現されるように、進化には偶然の寄与がとんでもなく大きい。 僕たち人間が37億年にも及ぶ生命進化の果てに誕生したのはただの偶然かも知れないのだ。 進化のテープを巻き戻して