「キツネを飼いならす」 [著]リー・アラン・ダガトキン、リュドミラ・トルート あの演歌ではないけれど、「何でこんなにかわいいのかよ」と聞きたくなるほどの強烈な魅力が、犬猫などのペット動物にはある。この問いに一つの答えを出した科学者たちが、冷戦時代の旧ソ連にいた。彼らはキツネを飼いならし、オオカミからイヌへの進化を再現した。本書はその大がかりな実験の記録だ。 キツネは本来、人になつかない。実験でも、初めは飼育員に牙をむいて飛びかかる個体が大半だった。ただ、中には従順で穏やかなやつもいる。選別して交配を繰り返すと、わずか数世代で変化が出てきた。 人の手をなめて甘えたり、おなかを見せたり、しっぽを振ったりと、明らかにイヌっぽい行動が増えてきたのだ。彼らはおとなになっても、子ギツネのように遊び好きだった。 血液を調べるとストレスホルモンが少なく、「幸せホルモン」とも言われるセロトニンが多かった。能
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