WBC日本代表を率いて、3大会ぶり3度目の優勝を果たした栗山英樹監督。同氏は現役時代に野村克也監督(当時)から、チームづくりの要諦について“ある話”を聞いていたのだという。 名将が、未来の名将に向けて伝えていたメッセージとは。栗山氏が北海道日本ハムファイターズ監督時代に著した『栗山ノート』(光文社)の一部を抜粋し、紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 天真 森信三先生の『修身教授録』のなかに、「天真」という言葉が出てきます。 国語辞典による「天真」は自然のままで飾り気のないことで、「天真爛漫」も同じような意味です。森先生の考える「天真」を私なりに解釈すれば、「天」から授かった心のなかの「真」を、どうやって開発していくのか、表現をしていくのか、ということだと思います。 自分の心に宿る「天真」を自覚すれば、誰に対しても優しく、丁寧に接することができる。相手に良くなってほしいという思