採用、育成、評価、定着など、人事にまつわる課題は尽きません。それらの課題を解決するため、各社とも“従業員のためになる”ような施策を次々と実行しています。 一方で、人事労務に携わる方々から「結局、どんな施策をやっても意味があるように思えない」「いくら制度を充実しても、辞めてしまう人は辞めてしまうから…」といった声が聞かれます。 なぜ、従業員にとってプラスとなる施策を行うだけでは効果が現れにくいのでしょうか。本コラムでは、この疑問を検討するため、様々な学問分野で取り上げられている「互恵性」に着目します。 人は、何を、どのように受け取ったとき、それを返そうと思うのか。そのメカニズムについて学術研究を概観していくなかで、実務へのヒントを探っていきます。 著者:小田切 岳士 同志社大学心理学部卒業、京都文教大学大学院臨床心理学研究科博士課程(前期)修了。修士(臨床心理学)。公認心理師、臨床心理士。働