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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (136)

  • 科学を伝える技術『サイエンスライティング』

    科学報道に不満がある。 リスクを極端に誇張したり、特定の団体を槍玉にあげつらうことに一所懸命で、エビデンスベースの話がない。新理論や新発見の解説をスルーして、それを成した人ばかりに焦点を当てる。不正確な報道を流布した挙句、訂正しない(わたしが気づかないだけ?)。俺様ストーリーに沿わない主張は、学会内の反対派を持ち上げて潰そうとする(バランスをとるつもり?)。 かくしてネット越しに海外ソースを確かめるのがデフォルトになる。さもなくば、雑誌や書籍といった「形」になったもので再検証するハメになる。日のことなのに、海外から確認するなんて、哀しいやら情けないやら。では、BBCやNatureといった大御所の欧米ならさぞかし見習うものがあるんじゃないかと手にしたのが、書だ。 書は、第一線で活躍するサイエンスライターたちが、自らの知見を伝える実践的ガイドブックだ。いわゆる科学記者に限らず、TVの科学

    科学を伝える技術『サイエンスライティング』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2014/04/18
    へー、面白そうだね。図書館に入らないかな?/"不正確な報道を流布した挙句、訂正しない"のは、サイエンスに限った話じゃないね、マスゴミの病巣。
  • 空も飛べるはず『飛ぶ力学』

    飛行力学の肝心な点を、一冊にまとめたもの。 紙ヒコーキからボーイング、ステルス戦闘機、プテラノドンを例に、空飛ぶ力学のエッセンスを解説する。「きっと今は自由に」飛ぶためには、揚力だけでは不十分で、流れに対し機体をコントロールする必要がある。 「実機と紙ヒコーキはどこが違うか」→重心と静安定 「フォークボールはなぜ落ちる」→レイノルズ数 「操縦と運転はどこが違うか」→縦の姿勢制御 「飛行機と“空飛ぶ絨毯”の違い」→誘導抵抗 「ヘリコプターのローターが大きい理由」→空中静止 など、章タイトルの疑問に答える形で、風見安定、流れの質、機体サイズの影響、操縦の極意を説明する。人類が「飛ぶ理屈」を探り出す歴史を追ったものが『飛行機物語』である一方で、そこから「飛ぶ質」を掴みだしたのが『飛ぶ力学』といえる。 東大教授のやさしい語り口調ではあるものの、数式やグラフがかなり出てきてて、理解に手こずる。わ

    空も飛べるはず『飛ぶ力学』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2014/03/11
    図書館にあるから、見てみよう。
  • 『科学革命の構造』はスゴ本

    科学の大発見をしたときの最初の言葉は、「エウレカ!(見つけたぞ)」ではなく、「こりゃおかしい」だ。なぜなら、「正しい」フレームワークがあってこそ、そこから逸脱していることが分かるから。この「正しい」とされるフレームワークが、パラダイムだ。 これは、「科学とは何か」について質的なところで答えた名著。科学における「進歩」について新たな見方をもうけ、コペルニクスやニュートン、アインシュタインが人類にもたらした「知」を問い直す。ただし、科学を純朴に信仰する人にとっては劇薬級だろう(あるいは、いちゃもんつけて理解を拒むかもしれぬ)。なぜなら、何か統一理論みたいなものがあって、そこへ連続的に進化していくような「科学」について、疑問を投げかけ、揺さぶってくるから。読書猿さんの強力なリスト「何を読もうか迷った時のために→Googleが選ぶ世界の名著120冊(2013年版)」でトップにあるのも分かる。科学

    『科学革命の構造』はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2014/02/07
    図書館にあるけど閉架orz=請求するのメンドい。
  • 宿題を終わらせる『論理哲学論考』

    ようやく読めた。岩波青で適わなかった宿題が、やっとできた。新訳はとても読みやすく、かつ、驚くだろうが理に適ったことに、横組みなのだ。 そもそもこれは、どういうなのか、なぜこれが20世紀最大の哲学書なのか、そして、ずっとたどり着けなかったラストが、なぜ「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」で終わっているのかが、わかった。わたしが難しく考えすぎていたんだ。 これは、数学なんだ。 哲学的なことについて書かれてきたことの大部分は、意味がないという。なぜなら、「哲学的なことについて書かれてきたこと」は、言語を使っているから。プラトン以来、西洋哲学の歴史は、言語の論理を理解していないことによるナンセンスな言説の積み重ねなんだと。なぜなら、「言語の論理を日常生活から直接引き出すことは、人間にはできない(No.4.002)」から。 このあたりの説明は、書の冒頭にある野家啓一「高校生のための『論

    宿題を終わらせる『論理哲学論考』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2014/02/03
    "中二病は治りそうもない。"旧訳との比較があっても?個人的には、古本屋で見かけたら考える。
  • 知性の性差という地雷『なぜ理系に進む女性は少ないのか』【リンク追加】【2019.9追記】

    「女ってバカだなぁ」こう自問する瞬間がある。 もちろんこの問いそのものが間違っていることは分かっている。バカな男がいるように、バカな女がいるだけの話だし、そもそもわたしの母・嫁・娘だけで一般化することにムリがある。一番バカなのは、問うたわたし自身だ。男女のスレ違いを如実に表わしたコピペ「車のエンジンがかからないの…」の正解は、二行目で「それは大変!僕が送っていくよ」だ。オスカー・ワイルドの「女とは愛すべき存在であって、理解するためにあるものではない」を噛みしめながら、ヴィトゲンシュタインの「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」を守るべし。 だが、あえて問うたのが書だ。 発端はハーバード大学学長ローレンス・サマーズの発言。数学と科学の最高レベルでの研究において、統計的に見ると、男性より女性が少ない適性を持つかもしれないと述べたのだ。これは「女性が科学・技術・工学・数学のキャリアに

    知性の性差という地雷『なぜ理系に進む女性は少ないのか』【リンク追加】【2019.9追記】
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2014/01/11
    家の近くの図書館にあるんだけど、月末まで入れないorz
  • 『科学と宗教』はスゴ本

    オックスフォード大学の教科書(Very Short Introductions)で、専攻問わず大学新入生の必読書。 片方の肩を持つのではなく、「そもそも何が問題となっているか」を整理する。科学と宗教は、とかく対立するものとして見られるが、そうではないことが分かる。むしろもっと根が深い。「正しいか、正しくないか」ではなく、争点が政治にあることが問題なのだ。 定番のテーマであるガリレオ裁判、進化論に対する理解の変遷、そしてID(インテリジェント・デザイン)説をめぐる論争や、ドーキンスの利他性の問題を採り上げ、科学哲学と宗教的含意の議論をまとめている。 歴史の俎上に乗せてしまうと、科学と宗教は驚くほど似通っていて、対立というよりも、補完・強化する関係になっていることが分かる。先進的な科学者v.s.保守的な教会という構図はドラマティックだが、現実は違う。どちらも頑迷さと寛容性があり、どちらにも知的

    『科学と宗教』はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/12/04
    "科学と宗教"っちゅー書名の本は沢山あって、図書館で検索してもわかりませんorz/"正か死か?二択を強要するのは、唯一神をあがめる人々に多いような気がする。"
  • この本がスゴい!2013

    人生は短く、読むは尽きない。 せめて「わたし」が知らない凄いと出合うべく、それを読んでる「あなた」を探す。このブログに込めた意味であり、このブログを通じて数え切れないほど「あなた」に教えてもらった。 ともすると自分の興味を森羅と取り違えがちなわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重で重要だ。そんな「あなた」のおかげで、ネットやリアルを通じて出会い、ここ一年で読んできた中から選りすぐりを並べてみる。 なお、ここでの紹介は氷山の一角、一番新しくアツいのは、facebook「スゴオフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるゾ。 フィクション ■ 『東雲侑子は短編小説をあいしている』 森橋ビンゴ(ファミ通文庫) ラノベを読むのは、存在しなかった青春を味わうため。 「いいおもい」なんて、なかった。劣等感と自己嫌悪に苛まれ、屈した日々が終

    この本がスゴい!2013
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/12/01
    "独身男は読んではいけない"と言われると、読んでみたくなるよね。/チューホフ短編集より「男と交際しない女は色褪せる。女と交際しない男は馬鹿になる」
  • スティーブン・ピンカー『心の仕組み』はスゴ本

    一言でまとめると、心とは、自然淘汰を経て設計されたニューラル・コンピューターになる。心とは、複数の演算器官からなる系であり、この系統は、狩猟採集によって生きていたわれわれの先祖が、日々の問題を解決しながら進化する過程で、自然淘汰によってつくり出されてきたという。 この枠組みを持って思考と感情の仕組みを、情報と演算活動で説明しようとする。ヒトの心は脳の産物であり、思考は脳の演算処理の一つだというのだ。情報を処理する上で、複数のモジュールがそれぞれ特定の目的をもって設計されており、外界との相互作用を受け持つという。 そして、これだけ精妙なモジュール性が生まれたのは、進化的適応によるという。外界の環境を把握し、どれほど適応できるかが、種にとって生存と繁栄の鍵を握る。物の場所を把握し、天敵を察知し、ライバルを出し抜き、配偶個体と出会うといった問題を効率よく処理できる個体が、結果として生き残り、子

    スティーブン・ピンカー『心の仕組み』はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/09/22
    一応図書館にあるんだが、三分冊ですか…ま、思い出せば見てみる。
  • なぜ小説を読むのか?なぜ小説を書くのか?『実践小説教室』

    伝わる・揺さぶる小説を書くために必要なものが分かる。 それは書き手自身の経験であり、熱意になる。その見つけ方、酌み取り方、表し方が、読み手の背中を押すように解説されている。テクニック的な面から言えば、文学賞を取るための「べからず」集がまとめられている。あたりまえなことを、あたりまえに教えてくれる良い。 タイトルに惹かれて技術的なノウハウを知りたい人は、いきなり2章を読むといい。短編か長編か、テーマはどこから掘り出すのか、人称をどうすればテーマに沿うかがまとめられている。基的なものばかりだが、興味深く感じたのが、「いま、文学賞を狙うなら」という視点で尖ったアドバイスがあるところ。 例えば、三人称で書く場合の手法として「複数の現在」をお勧めしてくる。小説的現在が二つ以上あると、物語は劇的に迫力が得られるからといい、各章ごとに交互に小説的現在が入れ替わる構造を紹介する。この手法を取り入れた作

    なぜ小説を読むのか?なぜ小説を書くのか?『実践小説教室』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/08/29
    機会があれば。
  • 科学とは何か『科学論の展開』

    科学の質に迫るスゴ。無批判に科学を信仰する者は悶絶する。 「科学」とは何か。実験で立証されたから?再現性があるから?反証に耐えてきたから?この問いをハッキリさせ、それに答えようとする試みが、書だ。帰納や演繹を始め、クーンのパラダイム論やラカトシュの研究プログラム、実証主義やベイズ主義など、科学哲学の議論を噛み砕き、咀嚼し、批判する。 「科学」の確からしさを信じる人は、衝撃を受けるに違いない。「科学」という確固たる観念があって、それが紆余曲折を経てきたのではないことが分かるから。その観念自体も揺れて再定義されてきたのだ。 たとえば、科学の「正しさ」を帰納に求める人がいる。実験や観察といった事実から理論を導き出しているから、正しいというのだ。これには七面鳥の喩え話を紹介する。飼育場で育てられている七面鳥は、「毎朝餌をもらえる」という結論を出すのだが、翌日はクリスマス・イヴで、首を切られて

    科学とは何か『科学論の展開』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/07/25
    家の近くの図書館にあるんだが、今入れませんorz
  • 数学は正しいか『数学の想像力』

    数学の「正しさ」について、ぎりぎり迫った一冊。 何によって数学的な「正しさ」を認識するのか、その根拠とでもいうべきもの、正しさの深層にあるものを掘り起こす。 書の結論はこうだ。数学の正しさの「規準」は明快だが、正しさの「根拠」は極めて非自明である。そもそも「正しさ」に根拠などというものがあるのか?この疑問への明快な解には至らないにせよ、そこへのアプローチにより、数学の「正しさ」が少しも自明ではないこと、そしてその非自明性が数学を柔軟性に富んだものにしている―――この結論のみならず、そこへ至る議論の数々が、読み手に知的な揺さぶりをかけてくる。数学の正しさを疑わない人には、頭にガツンと一撃を喰わされる。 もちろん数学は「正しい」。[Wikipedia]によると、数学とは「いくつかの仮定から始めて、決められた演繹的推論を進めることで得られる事実(定理)のみからなる体系の研究」である。そこにおけ

    数学は正しいか『数学の想像力』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/07/19
    図書館に入れば、読んでみる。
  • 方程式というパラダイム『世界を変えた17の方程式』

    17の方程式で語る知の歴史。 地図の作成からGPSナビゲーション、CDやテレビ、原爆や優生学やデリバティブなど、善し悪しともかく現在の世界を作り上げた「方程式」が主役の話。 著者はイアン・スチュワート。数学質が抽象化であることをユニークに示した『分ける・詰め込む・塗り分ける』や、生物学を塗り替えようとする現代数学に迫る『数学で生命の謎を解く』など、少なくともわたしにとっては歯ごたえありまくりの、しかし深い知見と新たな視線が得られる良を書いている。 著者曰く、「方程式は、数学、科学、工学のいわば血液である」。もちろん数式よりも、「言葉」の方が一般的で強力だろう。だが、科学や工学からすると、言葉はあまりに不正確で限界がある。言葉だけでは、人間レベルの前提が立ちふさがり、ノイズが多すぎる。そのため、根的な理解や洞察を得ることができないが、方程式ならできる。方程式は何千年ものあいだ、人類文

    方程式というパラダイム『世界を変えた17の方程式』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/06/13
    市の図書館にはあるが、当然貸し出し中orzほとぼりが冷めたころ、思い出せば読んでみる。
  • パラダイムシフトの情報史 『情報技術の人類史』

    美は眺める者の眼中にあり、情報は受け手の脳内にある。 一筋の煙や電気インパルスに込められた「情報」を「意味」に転じるには、人の介在を必要とする。古代、近代、現代の情報と通信の技術を経巡ることで、人が「意味」をどうやって進化させてきたかが分かる。伝えたい内容・残したい質である、意味を見える化したものこそが、情報なのだ。 アフリカのトーキング・ドラムに始まり、文字の発明、辞書製作、蒸気計算機や通信技術の開発、遺伝子解読や量子力学と情報理論の結合まで、「情報」を操る数多くのエピソードを縦横無尽に紹介する。膨大な量と深さに溺れそうになるが、「新たな情報技術に接したとき、人はどう変化したか」という軸で読むと、人間の思考の変質の歴史になる。これは、おもしろい。 たとえば電信は、「天気の概念」「時間の概念」を一変させた。電信のおかげで遠隔地の状況が分かるようになったからだ。人々は天気のことを、土地ごと

    パラダイムシフトの情報史 『情報技術の人類史』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/04/15
    図書館に入れば。まずは「数量化革命」を読んで予習するべきか?
  • 統計で犯罪を測る『犯罪統計入門 第2版』

    統計の怖さと強さを学ぶ、格好の教則。 たしかに統計は強力なツールだ。しかし、やりようによっては、正しい情報を用いて、堂々と白を黒と言い包めることができる。「嘘には三つある。嘘、大嘘、そして統計だ」、これが冗談でもなんでもないことが分かる。 書は、犯罪統計を探す場所・方法・ノウハウを詳説する。また、警察統計の収集手続きやメカニズムを解説することで、それぞれの統計情報の特性が分かる。さらに、官庁だけでなく、主要先進国の犯罪・司法統計など、ネットを利用した犯罪統計の検索の最前線を紹介している。このテの研究にすぐ着手したいなら、第3部の犯罪統計リファレンスが一番に役立つだろう。そして、通して読むことで、「統計のカラクリ」が分かる仕掛けになっている。 たとえば、「少年犯罪が凶悪化している」神話を思い出そう。いまだに信じている人がいるかもしれないが、比較対象を取捨することで、あるいは異なるスケール

    統計で犯罪を測る『犯罪統計入門 第2版』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/04/01
    "無邪気に統計学を持ち上げる前に読んでおきたい。"/図書館に第一版ならあるんだけど…
  • 「できない」を証明する知的興奮『不可能、不確定、不完全』

    「できない」を納得してもらうのは難しい。 なぜなら、あらゆる解決策を吟味して潰していかねばならないから。いっぽう「できる」ことを証明するのは簡単だ、解法を一つだけ示せばいいのだから。 たとえば、上司に「できません」と伝えると「できない理由を言え(俺が論破してやる)」と返される。無茶でも「できます」と言うほうが楽である(ただし、納期・コスト・品質そして健康が犠牲になる)。最近では小ずるく言い方を変え、「現実的ではありません」と理由を説明するようになった(これで説明責任が相手に移動する)。ビジネス上のたいていの問題は、カネか時間かで解決するが、常識的な時間内に解決するのは難しい。 ところが、世の中に、いくらカネと時間を注ぎ込んでも解決できない問題がある。荒唐無稽なファンタジーという意味で「できない」というのではなく、数学的な帰結として「できなさ」が証明されている問題である。『不可能、不確定、不

    「できない」を証明する知的興奮『不可能、不確定、不完全』
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/03/18
    そうえば、図書館で見かけたなぁ。
  • 俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本

    わたしの嫁さんは、美人である。 いわゆるカワイイ系ではなく、美人。レトロなフランス人形のような整った顔立ちをしている。一目惚れから十数年、結婚してよかったなーと思う。 だが、男女が一緒に暮らすのだから、順風満帆というわけにゆかぬ。カッとなって激しくやりあった夜や、冷たい応酬の日々が続いたときは、後悔することもある。 さらに、メタ視点から、「この結婚」に対する認知の歪みも自覚している。結婚に費やした時間、コスト、感情、労力が莫大かつ取り戻せないため、「この結婚はいいものだ」という認識に反する事柄を、予め排除しようとする。この結婚を否定することは、そこに費やしたわたしを否定することになる。あまりに犠牲が大きいため、結婚を疑うことに一種の恐怖を感じる。 そしてこれを、「サンクコストの誤謬」と呼ぶことも知っている。莫大な投資をした事業から撤退しようにも、取り戻せない費用を、サンクコスト(埋没費用)

    俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2013/01/30
    俺の空気嫁は、天下一の美人だぞ?!
  • 『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本

    使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには名があるから、妙に飾らないで、名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形

    『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2012/12/26
    古本屋を探してみるつもり。
  • この本がスゴい!2012

    人生は短く、読むは多い。せめてスゴいと出会えるよう、それを読んでる「あなた」を探す―――このブログの究極目的だ。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重な存在だ。 ネットで呟いたり、オフ会で発表したり、集団でブックハントに勤しんだり。バーチャル・リアルを問わず、そんな「あなた」同士の交流の場で、加速度的にスゴいに会ってきた。中でもここ一年で読んできたものから、選りすぐりを並べてみた。 実は、ここは既読のご紹介の場なので、氷山一角だ。だから、一番アツいfacebook「スゴオフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるデ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2011 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい

    この本がスゴい!2012
  • 「悪意の情報」を見破る方法

    ニセ科学、デタラメ統計に振り回されないための入門書。 「嘘は三種類ある。嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ」という冗句があるが、これをもじったタイトルが秀逸だ"Lies, Damned Lies, and Science"。これは、嘘つきサイエンスの告発でもある。 科学や技術について考えるのに役立つ視点を提供するとともに、問題の質をはっきり鮮明にとらえることを目的としている。「書は世界を見るための新しいレンズなのだ」と勇ましく言い切る。たしかに同意するが、ネットに出回るデマ学説や詭弁に慣れ親しんだ人には喰い足りないかも。 「マイナスイオン」や「コラーゲン」の胡散臭さを、そのメカニズムから説明し、遺伝子組換品を「フランケンフード」と呼ぶ底意地を指摘する。「地球温暖化」や「ダイオキシン」といった、評価が『多様化』した事例を解説する姿勢が良い。単純に白黒つけられないものには、「ここまでは分かっ

    「悪意の情報」を見破る方法
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2012/09/07
    読んでみたいが、図書館になしorz→10/12入った
  • 「貧乏人の経済学」はスゴ本

    経済学者≒ソフィスト」と冷やかに観察しているが、書は例外。 なぜなら、後知恵の机上論を分かりよいストーリーに押し込んで一丁あがりにしないから。あらゆる問題を一般原理に還元し、紋切型に落とし込む発想を拒絶するから。解決策はランダム化対照試行(RCT:random control test)によって検証済のものだから。 紋切型の経済学者が唱える「銀の弾丸」はないものの、「こんな状況下でこういう対策を打つと、確かに効果が期待できる」といったシナリオは描ける。面白いことに、そのシナリオを支える理屈は、「いま」「ここ」にも適用できるセオリーであるところ。わたしが貧困の罠に陥っていない理由は、わたし個人の努力よりも、社会システムに依拠しているものが大であることが分かる。見えるもの(社会保険、公衆衛生、教育システム)だけでなく、そこからくる見えないもの(安心、安全)に二重三重に保護された「わたし」が

    「貧乏人の経済学」はスゴ本
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2012/05/18
    図書館に入らないかなぁ?