臨床心理学者で『雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』を上梓したばかりの東畑開人さんと、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が15万部を突破し異例のヒットとなっている書評家の三宅香帆さん。 仕事と家庭との関係、「揉める」ことの素晴らしさ、寂しさと向き合うこと……パートナーシップについて、2人が語りました。対談一部を『週刊文春WOMAN2024秋号』より抜粋・編集し、掲載します。 「中年の危機」とは「カップルの危機」である 三宅 私、『群像』で「夫婦はどこへ?」という連載をはじめたんです。親子の話はフィクションでたくさん描かれているのに、夫婦の話になると途端に少なくなると感じたことが動機でした。 河合隼雄さんが、村上春樹さんとの対談で「これからは夫婦が一番大変だと思う」というようなことをおっしゃっていました。共働きで育児も共同でやることを求められ、「対話しながらやっていきましょう」