(写真1)ボノボの親子。真ん中が第一位の老齢メスのキク、背後に寄り添っているのが第一位のオスのノビタ 提供:古市 剛史さん 「ボノボ」という類人猿をご存じでしょうか。サル目(霊長目)ヒト科チンパンジー属に分類され、アフリカ中央部の赤道付近に広がるコンゴ盆地に住んでいます。チンパンジーとよく似た外見をしていますが、オスが好戦的なチンパンジーに比べて、性質はとても穏やかで争いの少ない社会をつくっています。実は、この両者を分けた要素の1つとして水(コンゴ川)があります。ボノボやチンパンジー、ゴリラ、ニホンザルなど野生霊長類の生態と行動を研究している古市剛史さんに、ボノボと水のかかわり、さらに平和的な生態とそれを可能にしている理由についてお聞きしました。 京都大学霊長類研究所教授 古市 剛史さん ふるいち たけし 1957年(昭和32)生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。下北半島と屋久