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ブックマーク / www.toibito.com (9)

  • 4. 無を根底とする - 小川隆 | トイビト

    インドからやって来たという菩提(ぼだい)達磨(だるま)を祖と奉じつつ、中国の唐の時代にはじまった禅。夏目漱石や西田幾多郎といった日の著名人はもとより、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスも傾倒していたことはよく知られています。また、最近では「マインドフルネス」と禅との関係といったことも、よく耳にするようになりました。時代を超え、国を越えて生き続ける禅の生命とはいったいなんなのでしょうか。中国禅宗史を研究する小川隆先生にお聞きしました。 ――ここでちょっと20世紀の禅についてもお聞きしたいのですが。西田幾多郎や鈴木大拙は明治以降の文明社会への対抗原理として、西洋列強諸国に対する日人のアイデンティティのひとつとして禅を捉えていたのではないかとのことですが、その西田や大拙の考えとはどのようなものだったのでしょうか。 日の思想の欠陥は「根底がない」ということで、漱石はこれを「空虚の感」

    4. 無を根底とする - 小川隆 | トイビト
  • 3. 360度の転換 - 小川隆 | トイビト

    インドからやって来たという菩提(ぼだい)達磨(だるま)を祖と奉じつつ、中国の唐の時代にはじまった禅。夏目漱石や西田幾多郎といった日の著名人はもとより、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスも傾倒していたことはよく知られています。また、最近では「マインドフルネス」と禅との関係といったことも、よく耳にするようになりました。時代を超え、国を越えて生き続ける禅の生命とはいったいなんなのでしょうか。中国禅宗史を研究する小川隆先生にお聞きしました。 ――禅では来の自己と現実の自己の関係づけが、「梅干しおにぎり」「五目おにぎり」「天むす」と変遷していったわけですね。 変遷といっても、後のものが前のものを淘汰していったわけではなくて、新しい考えが加わっていったと言うべきですが、ともかく、禅の歴史はこれで終わらない。次は唐の次の宋の時代の禅。宋代にもいろんな禅があるんですけど、最終的に主流を確立した

    3. 360度の転換 - 小川隆 | トイビト
  • 1. 系譜の宗教 - 小川隆 | トイビト

    インドからやって来たという菩提(ぼだい)達磨(だるま)を祖と奉じつつ、中国の唐の時代にはじまった禅。夏目漱石や西田幾多郎といった日の著名人はもとより、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスも傾倒していたことはよく知られています。また、最近では「マインドフルネス」と禅との関係といったことも、よく耳にするようになりました。時代を超え、国を越えて生き続ける禅の生命とはいったいなんなのでしょうか。中国禅宗史を研究する小川隆先生にお聞きしました。 ――禅宗というと「坐禅をして悟りを開く宗教」というイメージが一般的ですね。でも、先生はそうではないとおっしゃっています。まず、そのあたりから教えていただけますか。 坐禅は禅宗が生まれる以前から行(ぎょう)として実践されていました。禅宗独自のものでなく、通仏教的な行であり、さらには仏教独自のものでさえもない。ですから、坐禅がいくら重要であろうと、それを

    1. 系譜の宗教 - 小川隆 | トイビト
  • 3. ユダヤ教と改宗 - 内田樹 | トイビト

    キリスト教とイスラームの母体であるとされるユダヤ教。そこには聖書(キリスト教の呼称では『旧約聖書』)を経典とするという共通点がある一方、神との「媒介者」の有無をはじめ、いくつかの違いがあるそうです。ユダヤ教の信仰とは一体どのようなものなのでしょうか。経典『タルムード』の特徴、戒律、迫害の歴史、科学との親和性、「始原の遅れ」等、ユダヤ人の知性を基礎づけているこの「異次元」の宗教について、思想家の内田樹先生にお聞きしました。 ――ユダヤ教にはナチスのホロコーストをはじめとして、当に苛酷な迫害の歴史があるわけですけど、それによって改宗する人もやはりいたんですよね。 キリスト教に改宗するユダヤ人というのはどの時代にも一定数はいたんです。でも、せっかく改宗しても、それはそれで「改宗ユダヤ人」という新しいカテゴリーに組み込まれるだけで、「ユダヤ人」のタグは外せない。 ――どうしてわかっちゃうんですか

    3. ユダヤ教と改宗 - 内田樹 | トイビト
  • 2. 公民権運動 - 中村寛 | トイビト

    人は生まれ持った肌の色や宗教、文化などにかかわらず平等であり、自由に生きる権利がある。世の中が(表向きだけでも)それを常識とみなすようになったのは、ようやくこの数十年のことです。大航海時代、奴隷としてアメリカ大陸に連行された人びとは、何世紀にもわたって、理不尽な差別や暴力とたたかってきました。その歴史とはいったいどのようなものだったのでしょうか。そして、そこに抜き難くあるアイデンティティをめぐる問いとは? ――アメリカで公民権運動が始まったのは1950年代ですか。 公民権運動をどう捉え、どこから始まったと考えるかはいくつか議論があるんですけど、運動が大きく広がっていくのは50年代から60年代にかけてですね。64年に「公民権法」が通り、それによって法律上初めて差別が撤廃されたということになります。 ――「奴隷解放宣言」でも黒人の自由が認められたということでしたけど、それと「公民権法」は何が違

    2. 公民権運動 - 中村寛 | トイビト
  • 3. 死を迎えるための教養 - 島薗進 | トイビト

    生あるものすべてに等しくおとずれる「死」。私たちは誰ひとりとして、死と無縁ではいられません。親しい人、かけがえのない人、そして自分自身の死。死を考えることは、生を考えることでもあります。だからこそ、死の受け止め方には時代や地域、信仰などによって大きな違いがあるのでしょう。では、近代以降の日人にとって、死はどういうものだったのでしょうか。そして、現代を生きる私たちは、死とどう向き合っていけばよいのでしょうか。宗教学者の島薗進先生にお聞きしました。 ――自殺という行為そのものは江戸時代からあったけど、明治の終わりに藤村操が「生きている意味がわからない」という理由で、初めて自殺をした。初めてと言っていいかどうかわからないですけど、「実存の悩み」みたいなものが出てきたということですね。 そのときに「煩悶(はんもん)」という言葉が広まったんですけど。これは生きている意味が分からない、あるいは、これ

    3. 死を迎えるための教養 - 島薗進 | トイビト
  • トイビト 学問したいすべての人へ | トイビト

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  • 1. 最もピュアな一神教 - 内田樹 | トイビト

    キリスト教とイスラームの母体であるとされるユダヤ教。そこには聖書(キリスト教の呼称では『旧約聖書』)を経典とするという共通点がある一方、神との「媒介者」の有無をはじめ、いくつかの違いがあるそうです。ユダヤ教の信仰とは一体どのようなものなのでしょうか。経典『タルムード』の特徴、戒律、迫害の歴史、科学との親和性、「始原の遅れ」等、ユダヤ人の知性を基礎づけているこの「異次元」の宗教について、思想家の内田樹先生にお聞きしました。 ――ご著書『私家版・ユダヤ文化論』(文藝春秋)によると、ユダヤ人とは何かというのを一義的に定義するのは非常に難しいとのことですが、ユダヤ人のアイデンティティというか、「ユダヤ人らしさ」みたいなものはユダヤ教からきていると考えていいのでしょうか。 だと思います。一神教はユダヤ教から始まるので、ユダヤ教が「最も純粋な一神教」だと言ってよいと思います。キリスト教とイスラムはユダ

    1. 最もピュアな一神教 - 内田樹 | トイビト
  • BC級戦犯はなぜ「忘却」されたのか - 奥村隆 | トイビト

    会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 A級戦犯は知っていても、BC級戦犯のことはよくわからないという方は、きっと多いことでしょう。田中宏巳著『BC級戦犯』(2002年、ちくま新書)によると、A級戦犯が国家を戦争に導いた軍部や政府の指導者であるのに対し、BC級戦犯は日軍が占領した地域において捕虜や現地住民に対する残虐な行為を罪に問われた人びとです。命令した士官がB級、実行した下士官以下がC級とされたようですが、同書によるとこの区別に実効的な意味はあまりなかったようです。 BC級戦犯の裁判はアメリカ、イギリス、オーストラリア、オランダ、フランス、中国、フィリピンの連合国側7ヵ国の主宰により、主に中国大陸や東南アジアなど戦闘があった現地で開かれました(49法廷のうち、日国内はアメリカが主宰した「横浜法廷」だけです)。戦後、連合

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