映画やアニメでおなじみの軍用機どうしの格闘戦(ドッグファイト)。しかし、昨今の空中戦ではそのような接近戦は行われません。見えない敵との戦いが主流になっているのに、なぜフィクションはドッグファイトを描き続けるのでしょうか。 戦闘機の戦いは、すでに「見えない」戦場へ 「くっ、ミサイルをかわしたか……次は機銃で仕留める!」 拡大画像 エアショーにおいて戦闘機同士の格闘戦を展示するSu-27の4機編隊。こうした距離での格闘戦は、現代ではほとんど姿を消している(関 賢太郎撮影)。 コックピットで額に汗をにじませながら、敵機の背後を取ろうとする主人公。その動きはタカやワシなどの猛禽類のように鋭く、敵の残像を追い続けるカメラワークは、観る者の心拍数を確実に高めます。こうした格闘戦(ドッグファイト)の描写は、アニメや映画において、戦闘機を扱う映像作品には欠かせない「お約束」として長く親しまれてきました。
