『人生とは勇気』(児玉清著/集英社文庫)という本のなかで、児玉清さんが、こんなふうに書いておられます。 僕は、勇気をもって正直に、だめなことはだめだということが大切だと思います。ひとつ、参考にバートランド・ラッセルの言葉を紹介しましょう。 人間が協力するには三つの要素しかないと彼は言っています。一つは、子孫を繁栄させるための男女の愛。男と女が協力することですね。 二つめには恐怖。怖いから協力する。恐怖政治もそうでしょうし、かつて専制君主制を敷いた王国はみなそうだったでしょう。今の子どもたちも怖いものがないから、恐れで治めることができませんね。怖いものがなければ従わない。協力もしない。国家が怖くなければ、警察も怖くない、親も怖くなければ、学校も怖くない、先生も怖くない。何にも怖くないから、みんないじめや暴力に走る。それを抑えられない国というのは不思議ですよ。 三つ目の協力の要素は、不正な利得