今回の東日本大震災で被災された地域、また買いだめによる食料品不足が起こった首都圏等では、少なからず「食」の実態が浮き彫りにされたように感じます。 実際に仙台で被災した一食品研究者として、震災時に食べることの意味、特に食の「おいしさ」についてどのように考えていたのか、忘れないうちに書き留めておきたいと思います。 地震直後、上空では複数の自衛隊のヘリコプターの爆音が聞こえ、地上では救急車のサイレンが鳴り響く状態では、とにかく生きるためのエネルギーを得ることに必死で、前のブログ*1にも書きましたが、「飴の一つ一つが光り輝く宝石に見える」状態でした。 次第に震災の情報が入るようになり、東北沿岸部が津波で壊滅的であること、実家のある福島の原発が危険な状態にあることなど、自分ではどうすることもできないストレスが容赦なく襲いかかり、食欲を感じる余裕すらありませんでしたが、食べておかないと今後の自分が“持