教皇フランシスコは22日、教皇庁列聖省長官アンジェロ・アマート枢機卿との会談で、聖人・福者などに関する文書を承認した。その中で、「蟻の町のマリア」と呼ばれた、神のしもべ・北原怜子(さとこ)(1929〜58)が「尊者」と認められたと、列聖省が翌23日に発表した。列聖省が、聖人の列に加えることを最終目的とする調査の開始を宣言すると、その人物は「神のしもべ」と呼ばれる。そして、さまざまな調査によってその人物の生涯が英雄的、福音的な生き方であったことが公認されると、次の段階として、「尊者」という敬称が付けられる。 戦後、東京・浅草の隅田川の言問橋(ことといばし)ほとりに、「蟻の会」という労働生活協同体が誕生した。ホームレスの人々がバタヤと呼ばれる廃品回収業を営み、結束して人間らしい生活を勝ち得るための会であった。蟻の会が経営する、集めてきた鉄くずなどを分別するための仕切場を中心とする一帯が「蟻の町
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