前回掲載したインテルの14nmプロセスの記事が予想外に反響があって驚いている。プロセスの話は今回からが本番。先端プロセスの話も後々出てくるが、その前に少し基本的なことのおさらいをしておきたい。 トランジスタベースのデジタル回路 電子回路には、アナログ回路とデジタル回路の2種類がある。両者の違いは、デジタル量で処理するか、アナログ量で処理するかである。デジタル量というのは0か1しかない。対してアナログ量は、連続した可変量を扱うことになる。 このデジタル量は、ブール代数と呼ばれる記号論理学を使って扱われることが多いが、今回はその話は後送りする。回路上で見ると、0~5Vの範囲で変動する電圧を持つ回路の場合、アナログ量だと0~5Vの範囲を連続する値として扱うのに対し、デジタル量ではどこかにしきい値を設けて、例えば2.5V以上ならそれを「1」、2.5V未満ならそれを「0」と扱う形になる※1。 ※1: