「日本一過酷」と称される山岳レース、「トランスジャパンアルプスレース(以下、TJAR)」をご存じだろうか。 日本海の富山湾から、北・中央・南アルプスを縦断し、太平洋の駿河湾にいたる約415㎞(累積標高差は富士山の登山7回分)をほぼノンサポート、自らの足で8日間以内に踏破する、隔年開催の超長距離レースだ。 このレースは、愛知県の岩瀬幹生さん(現・愛知県山岳連盟副理事長)の「仲間と日本海から日本アルプスを越えて太平洋まで駆け抜けたい」という思いが始まりだ(2002年の第1回の出場者は5人で、岩瀬さんただ1人が7日5時間7分で完走)。 知る人ぞ知る草レースだったが、徐々に参加者が増え、2012年大会の模様がNHKの番組で放映されたことで認知度が高まった。 コロナ禍による1年の延期を経て今夏に開催されたTJAR2020は、台風の影響で残念ながら2日目に中止となったが、選考会など厳しい関門を突破した