1月8 汗の臭いを防ぐ法 夏場、満員電車などで強制的に嗅がされる汗の臭気というものは、なかなかたまったものではありません。あの独特の動物的な臭いの正体は何かというと、ヘキサン酸などのカルボン酸類です。実験でこうしたカルボン酸類を使う機会の多い方なら、構造式を見ただけでうえっとなるのではないでしょうか。 この化合物は正確には「汗の臭い」ではなく、汗をかいたときの湿気と温度によって皮膚の細菌が繁殖し、これが皮脂を分解して生じるものです。銀杏の臭いなどにも含まれるそうで、最も不快な臭気のひとつでしょう。 さてこのほど花王の研究グループが、このヘキサン酸の臭いを消す技術を開発したとのことです(プレスリリース)。ある3種の香り成分を組み合わせることで、鼻の中のヘキサン酸の臭いを感じる受容体をブロックしてしまうというものです。 ある化合物の臭気というものは、においの分子が鼻の中の受容体に結合し、その刺
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