(2014年6月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 元英国植民地の香港が政府トップの行政長官を選ぶ2017年の選挙の前にどのような普通選挙制度を導入すべきか議論するなか、中国が香港に対し、香港の民主主義には限度があると警告した。 中国国務院(内閣に相当)は10日、香港の自治の自由は北京の中央政府の支配下にあるということを香港政府に再認識させた。香港は、英国が1997年に香港を中国に返還する前に鄧小平とマーガレット・サッチャーが合意した「一国二制度」の取り決めの下で統治されている中国の特別行政区だ。香港は同制度の下、北京中央政府の領域である外交・防衛政策を除き、行政区を自ら治める自由を持つ。 白書で香港の自治権を牽制、「決定権を持つのは北京」 「香港特別行政区の高度な自治権は固有の権利ではなく、ひとえに中央指導部の承認に由来するものだ」。中国はこの問題に関する初の白書でこう述べた。 1