ケージの中にぎゅうぎゅうに詰め込まれていました――。 関東地方にある国内最大級の養鶏場で働いていた女性は、卵を生産するために飼育されている鶏たちの「過酷な現実」をそう語り始めました。ほとんど身動きが取れないケージのなかで傷つき、ボロボロになりながら、それでも人間のために卵を産み続ける、鶏たち。 アニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮は世界的な潮流になっています。でも日本の畜産は、その流れから大きく取り残されています。畜産動物のなかで最も飼育数の多い採卵鶏の現状を取材し、日本にもアニマルウェルフェア畜産が浸透する兆しはあるのかどうかを探りました。 現場へ! 鶏たちの「福祉」はいま① 栗畑や農家が点在するなかに、白い巨大な建物がいくつも見えてきた。周囲を土手や雑木に囲まれた敷地内には、三角屋根の体育館のような建物が整然と並んでいる。関東地方に本社を置く鶏卵大手の傘下で、国内最大級の養鶏場の鶏
![身近な卵の「裏」で 朝の仕事は死体取り出し、ボロボロになる鶏たち:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7827c26e9ac65a2f961d183ec6670314b4f93a76/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimgopt.asahi.com%2Fogp%2FAS20231110001269_comm.jpg)