「その当時、営利というよりは市場への供給、医療用医薬品を途切れさすわけにはいかないと判断した」―。2月9日夕刻、過去最長の116日間の業務停止命令を通告された直後の記者会見で、小林化工の小林広幸代表取締役社長は重い口を開いた。経口抗真菌薬・イトラコナゾールに睡眠薬が混入した問題をきっかけに露わとなったのは、小林社長自身が総括製造販売責任者(総責)を務めた2005年以降、問題のある製品を出荷し続けた事実だ。そこには、政府の後発品使用促進策を背景に成長路線を推し進めた表の顔とは裏腹に、経営陣が不正を認めていた暗闇があった。小林化工問題は、なぜ長期間にわたり、不正に手を染め続けたのか。(望月 英梨) 「正直、相当な品目で齟齬が見つかった。簡単に一部変更承認申請(一変申請)や軽微な変更で解決できないような、後で添加をしたり、違う添加物を加えたり、その程度のものが結構あった。重大な齟齬があった」。小