ウクライナによるロシア西部クルスク州への奇襲侵攻から4週間近く経過し、ウクライナ軍の進撃は減速してきている。ウクライナ側の大隊が補給線の限界に達し、壕に入る一方、ロシア側は増援部隊がさらに到着している。こうしたなかで、クルスク州の前線は塹壕戦の様相を強めている。 クルスク州内の接触線は今後数週間で、ウクライナ国内のほとんどの最前線と似たような状況になってくる可能性が高い。つまり、堅固な陣地が構築され、膠着し、双方とも陣地を出て行う攻撃は非常に危険なものになる。 周知のとおり、ウクライナ東部ドネツク州のポクロウシク正面は、膠着した前線の例外だ。この正面では、ウクライナ軍の防御部隊の統率が乱れるなかでロシア軍が引き続き前進している。ロシア側の前進ペースがあまりに速いため、ウクライナや支援国の政府で懸念が広がり、責任を問う声も出ている。 つい2週間ほど前まで、クルスク州の戦線は流動的だった。当時