日本原子力研究開発機構(JAEA)は27日、茨城県大洗町にある高温ガス炉で取り出した熱を活用した世界初の水素製造施設の建設計画について、原子力規制委に審査を申請した。高温ガス炉は水を使わずヘリウムガスで冷却し、東京電力福島第1原発事故のような炉心溶融(メルトダウン)が起こりにくい設計とされ、世界が次世代原子炉として開発に注力している。 規制委に審査を申請したのは、国内唯一の研究炉「HTTR」に接続する水素製造施設。水素は脱炭素エネルギーの一つで、政府が目指す2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた「本命」と目されている。 日本の商用原発は、核分裂で発生した熱を利用して発電する「軽水炉」が使われ、炉心を水で冷却する。これに対し、高温ガス炉は冷却材にヘリウムガスを使用。軽水炉よりはるかに高い熱を取り出すことが可能で、発電だけでなく、取り出した熱を利用し、大量の水素を安定的に製造することも
