今回お話をうかがったのは、研究者の高橋桂子さん。スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」の運用に稼働時から携わり、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、地球シミュレータを活用して地球科学分野のさまざまな研究をされ、地球情報基盤センター長、経営管理審議役、横浜研究所長等を経て、今年度からは早稲田大学に異動されました。これまでの研究やシミュレーション分野のことをお話しいただきました。 ―地球シミュレータを使った研究をはじめたきっかけを教えていただけますか。 私は津田塾大学の数学科出身です。その当時(1980年代)、津田塾大学には大型計算機があり、それがコンピュータとの最初の関わりでした。卒業後は東京工業大学の大学院でシステム科学を専攻し、博士過程で学位を取得、その後花王(株)の文理科学研究所(当時)を経て、夫のイギリス留学を機に留学したケンブリッジ大学では計算原理の基礎研究を