日本原子力研究開発機構(JAEA)は27日、茨城県大洗町にある高温ガス炉で取り出した熱を活用した世界初の水素製造施設の建設計画について、原子力規制委に審査を申請した。高温ガス炉は水を使わずヘリウムガスで冷却し、東京電力福島第1原発事故のような炉心溶融(メルトダウン)が起こりにくい設計とされ、世界が次世代原子炉として開発に注力している。 規制委に審査を申請したのは、国内唯一の研究炉「HTTR」に接続する水素製造施設。水素は脱炭素エネルギーの一つで、政府が目指す2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた「本命」と目されている。 日本の商用原発は、核分裂で発生した熱を利用して発電する「軽水炉」が使われ、炉心を水で冷却する。これに対し、高温ガス炉は冷却材にヘリウムガスを使用。軽水炉よりはるかに高い熱を取り出すことが可能で、発電だけでなく、取り出した熱を利用し、大量の水素を安定的に製造することも
福井県とおおい町ならびに、水素の利用促進を目指す県内企業などでつくる「ふくい水素エネルギー協議会」は、「水素ステーションおおい うみんぴあ(おおい町)」が2025年3月25日(火)に竣工することをお知らせいたします。 「水素ステーションおおい うみんぴあ」では、原子力由来電力によるゼロカーボン水素を製造し、4月13日(日)に開幕する「2025大阪・関西万博」において、水素燃料電池船や水素混焼発電実証の燃料として供給します。 水素ステーションおおい うみんぴあ(おおい町) 福井県とおおい町ならびに同協議会は、福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議で示された「ゼロカーボンを牽引する地域」の実現、また2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、福井県嶺南地域での水素サプライチェーン構築を目指し、本事業を行っています。 今回完成した「水素ステーションおおい うみんぴあ」では、原子
韓国水力原子力(韓水原)がピンク水素などクリーンエネルギー開発事業に積極的に乗り出している。 ピンク水素とは、原発余剰電力で生産された水素を指す。 米国、カナダ、欧州連合(EU)など主要国でピンク水素の事業化を推進している。 韓国水力原子力は19日から21日(現地時間)までチェコのプラハで開催された国際水素技術カンファレンス「ハイドロジェンデイズ2025」に参加したと20日、明らかにした。 ハイドロジェンデイズは水素技術の商業的な具現に対する情報交流のために毎年開催されている。 チェコ水素協会が主催し、参加企業は水素産業の発展方向について議論する。 今年はトヨタ、BMWなどのグローバル企業とチェコ産業通商部、外務部などの政府機関が参加した。 韓水原はカンファレンスで、国内で進められているピンク水素実証事業について発表した。 韓水原は低温水電解基盤の10メガワット(MW)級のピンク水素生産設
次世代の原子炉とされる「高温ガス炉」の熱を使って水素を発生させる世界初の施設の建設を巡る意見交換が始まりました。 政府が開発に力を入れる次世代の原子炉「高温ガス炉」は、冷却に従来使われた水ではなくヘリウムガスを使用します。 原子炉の冷却でヘリウムガスはおよそ950度まで上がり、この熱を利用して大量の水素を作る研究をJAEA(日本原子力研究開発機構)が続けていました。実現すれば世界初ということです。 この水素製造施設を建設するためには原子力規制委員会の審査を受ける必要があり、先月28日にJAEAと原子力規制庁の意見交換が始まりました。 JAEAは意見交換を通して審査の範囲などを整理し、建設計画の申請などを進めたい考えです。
ABOUT about US Editorial OFFICE from EDITORS Copyright (C) JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. (JAIF) ここに掲載されている記事や写真などの無断転載はご遠慮ください。 英国を拠点とするAI(人工知能)クラウドプラットフォームのフルードスタック(Fluidstack)社は2月10日、原子力を活用した世界最大級のAIスーパーコンピューターを構築するため、フランス政府と提携に関する覚書を締結した。2028年までに100万kW超の電力を供給するAIコンピューターの構築を目指している。 この提携は、パリで開催されたAIアクションサミットの場で発表され、フランスのE. マクロン大統領のリーダーシップの下、E. ロンバール経済・財務・産業・デジタル主権相、M. フェラッチ産業・エネルギー相、フルードスタッ
【読売新聞】 日本原子力研究開発機構は2月にも、次世代原子炉「高温ガス炉」と一体で運用する水素製造施設の建設に向けて、原子力規制委員会に審査を申請する方針を固めた。高温ガス炉の実験炉「HTTR」(茨城県大洗町)の隣に設置する計画で、
Investing.com -- バイデン政権が水素生産に関する税額控除規則を緩和したことを受け、Constellation Energyなど原子力発電に注力する企業の株価が上昇しました。 財務省と内国歳入庁は、インフレ削減法の一部に関する最終規則を発表し、再生可能エネルギーを促進するための税額控除をこれまでよりも利用しやすくしました。 クリーン水素生産に関する最終規則により、廃止のリスクがある一部の原子力発電所が、燃料電池で使用されるガスを生産することが可能になります。バイデン大統領の上級気候顧問であるジョン・ポデスタ氏は、最終規則における広範な改訂により、水素生産者がプロジェクトを継続し、米国がグリーン水素のグローバルリーダーとしての地位を確立するために必要な確実性が提供されたと述べました。 この展開は、人工知能開発のためのテクノロジー企業による電力需要により、原子力発電が復活を遂げて
『チャイナ・シンドローム』(原題:The China Syndrome)は、1979年制作のアメリカ映画。同年のアカデミー賞にて、主演男優賞、主演女優賞、美術賞、脚本賞などにノミネートされた。カンヌ国際映画祭のパルム・ドールにもノミネートされ、ジャック・レモンは男優賞を獲得した。 原発の取材中に事故に遭遇し真実を伝えようとする女性リポーター、ずさんな管理の実態に気づき事故を防ぐために命を懸ける原発管理者、不祥事を揉み消そうとする利益優先の経営者といった人物たちの対立を描いたサスペンス映画。 タイトルの「チャイナ・シンドローム(英語版)」とは、1965年以降、原子力発電所の過酷事故を研究していた原子力技術者の間で使われていた[1]、「核燃料が高熱によって融解(メルトダウン)して原子炉の外に漏れ出すメルトスルーと呼ばれる状態」を意味する用語。もしアメリカ合衆国の原子力発電所がメルトダウンを起こ
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、政府が開発に力を注ぐ「次世代革新炉」。その一つ、高温ガス炉は脱炭素で重要になる水素を作り出せると期待される。日本原子力研究開発機構は、今年度中にも国内唯…
筆者作成。 *(1)は第6次エネルギー基本計画による数値。(2)、(3)は筆者の推計値。 再生可能エネルギーで伸び代が大きいのは風力であるが、22年度末の導入実績は陸上5.1ギガワット(GW)、洋上0.1GWにとどまり、リードタイム(計画着手から完成までの期間)の長さから考えて、陸上17.9GW、洋上5.7GWという30年度の導入目標達成は難しい。電源構成における原子力の比率を20〜22%とするには27基の原子炉の稼働が必要となるにもかかわらず、現時点で12基しか再稼働していない。30年度時点ではせいぜい20基稼働がいいところだろう。別表の(2)では、筆者が独自で推計した値を示した。30年度の電源別構成では再生可能エネルギーは30%程度、原子力は15%程度に過ぎない。水素・アンモニア火力の1%を合わせても、非化石電源の比率は46%程度にとどまるとみられる。 こうした状況は、じつは政府も認識
ABOUT about US Editorial OFFICE from EDITORS Copyright (C) JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. (JAIF) ここに掲載されている記事や写真などの無断転載はご遠慮ください。 フィンランドとスウェーデンの電力会社が5月上旬、それぞれ原子力関連の水素イニシアチブを発表した。 フィンランドのフォータム社は5月7日、ロビーサ原子力発電所(VVER-440×2基、各53.1万kWe)の近くに水素製造パイロットプラントを建設する計画を明らかにした。発電所近くのKälla地区の同社所有地で、今夏着工し、2025年後半に稼働させる計画だ。 水素は「電解法」を採用し、水の電気分解により製造する。電力は送電網、水は地元の家庭用水から供給される。プラントに隣接して水素ステーションを設置し、そこから産業界の顧客に水素を輸
将来のトラックの動力源として、燃料電池(FC)や水素エンジンが期待されています。しかし、燃料の水素を大量かつ安価に入手するのはまだまだ難しく、普及には程遠いのも事実。ただ一つブレークスルーとなりうるのが、高温ガス炉を使って「水から水素をつくる」ですが、このほど都内で開催された展示会「SMART ENERGY WEEK」で、それがいつ実現するのかを取材しました。 文/緒方五郎(商用車ライター) 写真/トラックマガジン「フルロード」編集部 トラックの脱炭素化・脱化石燃料化で、燃料電池自動車(FCEV)や水素エンジン車が期待されているのは、EV以上の航続距離と積載量が確保できるためです。 FCEVは水しか排出しないので最もクリーン、水素エンジン車は排気ガスを出すものの、ディーゼル車に近い使い勝手が得られます。しかし、それ以前に肝心の燃料が入手しにくく、しかも軽油より高い(ガソリン相当)といわれて
炭素排出量の少ない水素の製造に新風が吹いている。原子力発電の電気や熱を利用する「ピンク水素」だ。米国などで脚光を集め、再生可能エネルギーを使う「グリーン(緑色)水素」より効率的との見方もある。製造本格化に向け、一段のコスト低下がカギとなる。米企業が製造開始米国有数の原発・再生可能エネルギー企業、コンステレーション・エナジーは2月、原発の電力を使って水を電気分解する方法で水素の製造を始めた。米
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