黒川清・原発事故調査委員長。限りなくズサンな原子力安全対策に呆れ顔だった。=15日、衆院第16委員室。写真:筆者撮影= 国会の「東電福島原発事故調査委員会」が15日、開かれた。第4回目のこの日は事故をここまで甚大にした“A級戦犯”の二枚看板に対する事情聴取である。経産省原子力安全・保安院の寺坂信昭・前院長と内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長の答弁は“期待”に違わぬものだった。 トップバッターは班目委員長だ。 黒川清委員長が「今回の事故をどのように総括していますか?」と聞くと班目氏の口からは驚くべき発言が飛び出した。「これまでの安全指針に瑕疵があった、と認めざるを得ない。お詫びする」。 刑事被告人が罪状認否で罪を全面的に認めて反省と謝罪を述べ、減刑を勝ち取る―この手に出たのか、と筆者は思った。 だが「マダラメ、デタラメ」と異名を取る人物は、そこまで単純ではなかった。続く答弁では電力会社と