JR東日本グループは、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化すると発表した。 これにより、物流業界の人手不足やCO2排出量削減、地方創生といった社会課題の解決に貢献することを目指している。これまでの小口輸送を拡大し、在来線を含めたネットワーク強化やシステム化によるサービス提供を進め、年間100億円規模の収益獲得を目指す。

東日本旅客鉄道(JR東日本)のグループ会社のJR東日本スタートアップをはじめ、東急、小田急電鉄、西武ホールディングスが参画する鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS」は、NearMe(ニアミー)と連携し、新たな移動サービスの実証実験を行う。 ニアミーは、利用者同士によるタクシーの“シェア乗り”を活用し、移動の「もったいない」を解決することを目指している。 この実証実験では、鉄道各社が有する駅や鉄道、不動産などの経営資源を活用し、タクシーの“シェア乗り”を新たな移動手段として定着させることを目指す。特に、タクシーの供給が不足している時間帯における移動手段として、首都圏の終電時間帯に「ミッドナイトシャトル」を展開する。 ミッドナイトシャトルは、1月29日から3月末まで、まず西武鉄道池袋線エリアで実施される。運行日は水曜日、金曜日、土曜日で、終電後の深夜1時から運行される。運行範囲は池袋駅か
西武鉄道は、小田急電鉄から譲受した8000系車両の西武線での運行開始を2025年5月末にすると決定した。西武鉄道が1月7日に発表した。大手鉄道事業者間では珍しい車両の移籍だ。西武鉄道では国分寺線で運行されることになっている。 西武鉄道では、他社から環境負荷の少ないVVVF制御車両を譲受して自社の旧型車と交代することで、環境負荷の軽減を意図している。このような“環境負荷の少ない他社からの譲受車両”を西武鉄道では「サステナ車両」と呼ぶ。なお8000系の小田急電鉄在籍時の車両形式は8000形だ。 サステナ車両1編成目となる8000系は、2024年5月に小田急電鉄から譲受後、7月より武蔵丘車両検修場において、安全装置の更新や車両デザインの変更などを行ない、2025年1月7日に主要な更新を終えて検修場を出場した。今後、西武鉄道各路線で走行試験や試運転、乗務員訓練などを行なう。当初の運行開始予定は20
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は2024年11月5日、有楽町線延伸(豊洲~住吉間、全区間東京都江東区内)の工事に着手した。東京都より2024年6月17日付けで都市計画決定が告示されたことに伴なう着工だ。この区間の現状を歩いてみた。 東京メトロ有楽町線は現在、和光市(埼玉県和光市)~新木場間(東京都江東区)を運行している。豊洲から分岐して江東区内を北上し、半蔵門線の住吉に接続する延伸区間がこのほど着工された。中間駅は、枝川(仮称)、東陽町(仮称)および千石(仮称)の3駅を計画している。 ◆江東区内を南北に結ぶ 有楽町線の延伸とその事業運営は、東京メトロの成長戦略のひとつだ。2030年代半ばの開業をめざし、臨海部・都心部へのアクセス利便性の向上や沿線まちづくりへの寄与、東京圏の国際競争力の強化に貢献するとともに、新たな鉄道需要を開拓していく。 ●豊洲駅 延伸区間は豊洲で既存の本線から分岐する
たかが「10円玉」一つとはいえ、通勤や通学などで毎日のように乗車する利用客にとっては家計の大きな負担増となるのが鉄道運賃の値上げだろう。 JR東日本が山手線などの切符の初乗り運賃を、現在の150円から10円引き上げる方向で検討しているという。きょうの読売や産経などが報じているが、普通運賃のほか定期券も値上げの対象としており、近く国土交通省に改定を申請し、2026年3月に想定している運賃値上げに合わせて実施するとみられる。 JR東日本では距離に応じた運賃が幹線と地方交通線で異なり、首都圏などの都市部は安く設定されている。距離に応じた分かりやすい料金体系に見直すことも視野に入れるという。 JR東日本の切符や定期の値上げは、首都圏の一部の区間で「バリアフリー料金」の上乗せを実施した23年3月に続いてとなるが、全面的な運賃の値上げは消費税の導入などを除くと1987年の民営化による会社設立以来初めて
山梨県は11月18日、「富士山登山鉄道構想」において、鉄軌道を使った次世代型路面電車(LRT)を断念し、レール不要のゴムタイヤ式新交通システム「(仮称)富士トラム」を検討すること発表した。プロジェクトも「(仮称)富士トラム構想」に改称された。 ◆来訪者数のコントロールが必要 富士山の環境を保全するにあたって課題とされているのが増大する訪問者数だ。山梨県では、五合目の来訪者数をコントロールする手段として、山麓の富士吉田と五合目とを結ぶ既存の有料道路「富士スバルライン」にLRT軌道を敷設することを検討してきた。 富士スバルラインを再利用するのは工事コストの低減のため、道路として路面を維持するのは緊急自動車の通行のため、そして軌道系のアクセスとするのは、一般自動車の通行を制限するためだ。道路の交通規制は国の管轄で、道路交通法では望ましい規制はできないというのが山梨県の見解だ。 今回LRTに代わっ
山梨県は10月28日、「富士山登山鉄道構想事業化検討に係る中間報告書」を公式サイトで公開した。有料道路の富士スバルライン上にLRT(次世代路面電車)を敷設する案を想定し、技術的課題には対応可能だとされた。 ◆富士スバルライン上に次世代路面電車を敷設 富士山の価値を守り、さらに高め、今後の日本の観光のあるべき姿を体現していくための試みとして、富士山登山鉄道構想検討会において2021年2月、「富士山登山鉄道構想」が策定さた。構想では、これからの富士山五合目アクセス交通のあり方および登山鉄道の基本方針として、富士スバルライン上にLRTを敷設する案を想定し、整備イメージや事業運営に関して検討してきた。 10月28日に発表された「中間報告」は、9月20日に公表された「富士山登山鉄道官民連携方策検討調査」の概略に、技術課題の検討を加えたものだ。構想の現状、事業化の方向性、技術的課題などについて説明され
小田急電鉄は9月9日、新型特急ロマンスカー車両の設計に着手したと発表した。東京・横浜~箱根に路線を持つ小田急電鉄の、有料座席指定特急およびその車両の総称が「ロマンスカー」であり、小田急のシンボルである。 小田急電鉄では、2027年4月に小田急線(新宿~小田原間)の営業開始から100周年を迎えることを記念し、次の100年を見据えた新型ロマンスカーの導入をめざす。運行開始は2028年度(2029年3月)を予定し、2024年9月2日に設計に着手した。 新型ロマンスカーは、ロマンスカーブランドの伝統を継承しつつ、国内外からの利用者にいっそう上質な移動時間を提供することを意図している。通勤やショッピングの足として利用されてきた「EXE」(30000形)の代替として、また同時に、観光地・箱根の再興を願って導入され、2023年に引退した「VSE」(50000形)の後継車両として位置付けられている。 ●デ
2024年9月10~13日の期間の新聞ウォッチに関する記事です(9日は休刊日)。「データ改ざんのJR貨物、全列車の運行を停止、宅配便などに影響もなど」が話題となりました。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は9月10日、新たに東京発着の中央線快速・青梅線に、2階建てグリーン車を2両連結し、2025年春からグリーン車サービスを開始すると発表した。具体的な導入時期については、別途発表する予定だ。 JR東日本では、乗客の着席ニーズに応えるため、首都圏近郊を結ぶ主な線区で、普通列車のグリーン車による着席サービスを提供している。中央線快速・青梅線への導入によって、東京駅を中心として、首都圏の各方面に向けたグリーン車サービスが拡充される。 サービス開始に先立ち、2024年10月13日以降、中央線快速・青梅線E233系電車の東京寄りから4・5両目に順次グリーン車を連結し、12両編成で運転する。2025年春のサービス開始までの間は、グリーン料金不要(普通車扱い)の「グリーン車お試し期間」として、乗り心地を体験できる。 ●車両設備や車内サービス 中央線快速・青梅線の2階建てグリーン
大型台風や大地震などの未曽有の自然災害ならともかく、データ改ざんなどの不正問題で全ての貨物列車の運行がストップするというのは前代未聞である。 JR貨物では、列車の車輪に車軸を通す作業で、日本産業規格(JIS)で定められた基準値を超える場合は、基準値内に収まるようにデータを改ざんするなどの不正が発覚。対象は564車両に及び、基準値を超えると車軸に傷がつき、強度が弱まる恐れがあり、最悪の場合は脱線につながるため、9月10日には全ての貨物列車の運行を一時停止した。 きょうの各紙も「JR貨物が運行停止、ヤマトなど物流に遅れ」などと1面や社会面に取り上げている。全面停止は極めて異例で同日午後5時ごろから順次、運行を再開したが、ヤマト運輸と佐川急便は地域によって荷物の配達に遅れが生じるとも発表。長距離便を中心に全国の物流網に影響が出始めているという。 ヤマト運輸では、関東と北海道・九州の間を運ぶ荷物の
京成電鉄、京浜急行電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、JR東日本/東日本旅客鉄道、北総鉄道の8社(以下「鉄道8社」)は5月29日、2026年度末以降、磁気乗車券をQRコードを使用した乗車券への置き換えると発表した。持続可能なシステムへの移行と環境負荷の低減、そして利用者サービスの向上を目的としている。 鉄道8社は、交通系ICカードのSuicaやPASMOを主体としたチケットレスサービスの利用拡大を進める一方で、磁気乗車券をQR乗車券に置き換えることで、鉄道サービスの持続的な提供をめざす。 鉄道8社は、QR乗車券への置き換えの目的として(1)持続可能なシステムへの移行、(2)より環境にやさしい用紙への置き換え、(3)お客さまサービスの向上、をあげる。 鉄道8社によると、磁気乗車券用の機器は複雑で専門性が高いため、それを持続可能なシステムに移行する必要があるという。また、磁気
新幹線など鉄道施設の建設や貸付けを事業としている鉄道・運輸機構(JRTT)は、前身である日本鉄道建設公団が建設した三陸鉄道北リアス線・白井海岸駅~堀内駅間に架かる大沢橋りょうの建設記録を、YouTube動画として5月7日に公開した。 三陸鉄道北リアス線は旧国鉄久慈線として、1975年に最初の区間である久慈駅~普代駅間が開業した。大沢橋りょうはその途中の堀内駅~白井海岸駅間にある。白井海岸駅は1984年に新設されたもので、開業当時は堀内駅~普代駅間だった。 大沢橋りょうは三陸の海に程近く、車窓には太平洋が広がる。また並行する国道から撮影した大沢橋りょうの写真は三陸鉄道を代表するイメージだ。NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』でも印象的なシーンのひとつがこの橋梁周辺で撮影されている。 橋りょうの設計・建設にあたっては、陸中海岸国立公園の一角で溺れ谷型の地形を示すこの地点に、どのような形式で架
東急は3月4日から、新横浜駅を起点に、中部・関西・山陽方面への旅行を促進するため、新幹線デザインのラッピングトレインを運行する。ラッピングトレインはJR東海の協力のもと、ホワイトのボディ側面に新幹線と同じブルーのラインを施した。 ラッピングトレインの運行は、「西日本へのお楽しみは、新横浜から。」をキャッチコピーに東急電鉄が取り組む、相鉄・東急新横浜線の開業1周年を記念した「enjoy WEST」プロモーションの一環だ。 車両にはブルーのラインのほか、西日本の各エリアを想起させるステッカーと、「enjoy WEST」のキャンペーンステッカーを貼付し、記念ロゴのヘッドマークステッカーも掲出される。さらに、東急電鉄所属車両内では、相鉄、JR東海、西日本旅客鉄道、阪急電鉄の協力による動画・ポスターが公開され、鉄道会社間の連携をアピールする。 ラッピングトレインは目黒線を中心に使用されている3020
鉄道・運輸機構(JRTT)は、自然災害により被災した鉄道施設の早期復旧を目的とした「鉄道災害調査隊(RAIL-FORCE)」を、のと鉄道七尾線に派遣した。この対応は、国土交通省からの要請に基づくものです。 RAIL-FORCEは、2023度から設置され、鉄道事業者の被災状況調査や復旧策の策定に技術支援を提供している。今回の派遣は、令和6年能登半島地震による被害を調査するためで、和倉温泉駅から穴水駅までの28.0kmにわたる区間で現地踏査が行なわれた。 派遣期間は1月9日から10日までの2日間で、技術系職員7名が被害状況を把握し、「調査報告」をまとめて現地で実施する。これにより、鉄道施設の早期復旧に向けた具体的な対策が進められる。 《レスポンス編集部》
宮崎県高千穂町の高千穂あまてらす鉄道(あま鉄、高山文彦社長)が、2005年の台風で壊滅的な被害を受けて08年に廃線となった旧高千穂鉄道(TR)の歴史や文化を学べる「高千穂鉄道記念資料館」を12月24日にオープンした。 あま鉄はTR復興を目指し、廃線の年に設立。翌年から動力のない木製トロッコを人力で押すところから始まった。現在では高千穂駅~高千穂鉄橋間(往復5.1km)を60人乗りのグランド・スーパーカート(GSC)で運行させており、県内でも有数の観光アトラクションとなっている。 ただし屋根のないトロッコは、風雨が強い時など運休せざるを得ないことがあり、荒天時でも構内を楽しめ、かつ歴史も知ることができる施設として、全線廃止から15年となる節目のオープンとなった。 その目玉となるのが、畳6枚分の特大ジオラマだ。実物の約150分の1スケールで、縦約6.5m、横約2m。あま鉄からの依頼で、同県川南
西武鉄道は2024年1月1日から、西武鉄道全線で使用する全ての電力を、実質的に再生可能エネルギー由来の電力(=再エネ電力)とし、実質CO2排出量ゼロで運行する。年間CO2排出量にすると、約5万7000世帯分に相当する量を削減する。 同社では、すでに2021年4月から山口線(レオライナー)を、西武グループが運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」で発電する環境価値のついた電力で運行している。これに加え東京電力エナジーパートナーの再エネ電力メニューを導入することにより、通年・全路線・全列車での環境価値がついた電力による運行を実現する。年間約15万7000t排出していたCO2が実質ゼロとなり、一般家庭の年間CO2排出量にすると、約5万7000世帯分に相当する数字だ。 西武グループではグループ全体のCO2排出量を、2030年度までに2018年度比46%削減するという目標を設定している。今度の
東急電鉄と小田急電鉄の電車が西武鉄道へ譲渡される。西武鉄道(本社:埼玉県所沢市)は、環境負荷の少ない他社からの車両授受について、東急電鉄(本社:東京都渋谷区)および小田急電鉄(本社:東京都新宿区)と連携する。3社が9月26日、合意を発表した。大手私鉄間では珍しい車両の移籍だ。 ◆VVVF制御で省エネルギーを加速 西武では、他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を、西武独自の呼称として「サステナ車両」と定義している。VVVFインバータ制御は、現在西武で主力の40000系や特急用001系(ラビュー)にも採用されており、インバータと呼ばれる電子装置で電源の周波数と電圧を調整して交流モーターを制御する方式だ。それ以前に普及していた直流モーターの抵抗制御と比べて、使用電力量は約50%の削減となっている。 今回の連携では、東急は9000系を、小田急は8000形を、それぞれ西武へ譲渡する。西武では、
スーパーエクスプレスが機械遺産に認定される。小田急電鉄が運営するロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)で展示中の「ロマンスカー3000形SE」電車が、8月7日に日本機械学会の「機械遺産」に認定される。これを記念して、ロマンスカーミュージアムでは同日から特別展示を行う。 3000形は、当時の日本国有鉄道の鉄道技術研究所と共同で開発された特急専用車両だ。SEは“Super Express”を意味する。航空技術を応用した当時の最新技術を用いて空気抵抗低減を図った先頭部の流線形状や、車両間に台車を配置した連接構造、そして車体のフレームと外板を一体化したモノコック構造による軽量化で、当時の狭軌鉄道での世界最高速度145km/hを記録した。SEの優れた車体設計はその後の小田急ロマンスカーや新幹線0系にも影響を与え、高く評価された要因となっている。 今回の認定を記念した特別展示では、「機械遺産」認
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