ブロッコリーの塩ゆで、私がするのと、妻のとでは、味が違う。 妻がゆでると、コリッとした食感の中にピリッと辛みが交じり、何もかけなくても美味しい。一方、私のだと、ただの「茹でた野菜」になり、ドレッシングが必須だ。 同じ西友なのに、どうして違うのか? 『おいしく食べる 食材の手帖』に、その秘密があった。これだ。 私は、沸騰させた熱湯に放り込んで、ぐらぐら煮たてながら茹でていた。一方、妻は、ふつふつ程度のお湯で、少し時間をかけていた。その違いだ。 ブロッコリーの「ブロッコリー感」は辛み成分にあるという(生で食べてみると分かる)。この持ち味を生かすには、熱湯ではなく、80℃で茹でると良いという。お湯の温度が80℃だと、野菜の芯温が40℃になる。この温度でブロッコリーは火が通り、かつ、辛みが働く。 「ゆでる=熱湯に放り込んで柔らかくする」だけの発想だったので、これは目鱗だった。単に「ゆでる」一つとっ