米国で「独立系書店の復活」が注目を浴びるようになったのは2012年頃と記憶しているが、こういう話題は語られるコンテクストによってイジられやすく、誤解を誘因して都市伝説化するので、真面目に考えたい場合には、各種コンテクストの中に生きている各種「専門家」を超えて学者の仕事を検討するしかない。 デジタル転換による危機をどう乗り越えるか ハーヴァード・ビジネススクール(HBS)で組織行動学を専攻するライアン・ラッファエリ助教授 (Ryan Raffaelli)は、成熟産業が基盤技術の変動に直面した時、いかに再構築するかという問題を、スイスの時計産業を起点として考察してきた。デジタル時代の「技術再浮上論」(“technology reemergence”)をテーマとしたラッファエリ助教授が、独立系書店のサバイバル問題に関心を抱いたのは2012年のことという。以来、フィールドサーベイ、フォーカスグルー