『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える』(片岡大右 著)集英社新書 直接現地へ赴くことができない遠いどこかで、誰かが苦しんでいる。そんな光景が突然、日常に飛び込んできたら、いったいどうすればよいのだろうか――。 そんな問いかけから始まる、批評家の片岡大右さんの『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』。テーマは、ウェブ上で噂やデマを含む大量の情報が氾濫し、現実社会に影響を及ぼす「インフォデミック」だ。フランスの社会学者リュック・ボルタンスキーらの議論を参照しつつ、東京五輪直前に起きた“炎上”騒動の過程を検証した。 「再発見の成果を、一つの文化史的な興味をかき立てるようなものとして読者に伝えたかったんです」 2021年夏、五輪開会式の楽曲担当と発表され、数日後に辞任を余儀なくされたコーネリアスこと小山田圭吾。きっかけは「ロッキング・オン・ジャ
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