東京芸術劇場シアターウエスト E列9番 作・演出 岩井秀人 2年半のスパンで再演、かつ芸劇地下のシアターイーストとウエストで「て」「夫婦」同時上演。同時上演なのでこちらの「お父さん」は岩井さん本人が演じておられます。お母さん役は初演に引き続き山内圭哉さん。 「て」が家族というかいぶつ(よくもわるくも)を描く作品だとしたら、「夫婦」は文字通り夫婦というかいぶつ(よくもわるくも)を描いた作品だと思うんですが、初演を見たときは描かれる「父親」の多面体ぶりにくらくらしてしまって、印象もそちらにかなりひっぱられた記憶があります。あの「釣った魚にエサやるバカいるか?」は、ほんとうに今舞台の上にいるおまえをなぐりたい!と思うほどに気持ちを逆なでされたけれど、今回はあの「父」に対する見方にかなり変化があった。それが岩井さんがやっているからなのか、再演だからなのかはわからない。初演の時は、どこかカリカチュア