社会現象となっている『鬼滅の刃』。本記事では主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が経験した突然の危機への対処法を、危機下で心を守るという視点から保健学博士の蝦名玲子が分析・解説します。 ※本記事は『鬼滅の刃』アニメ版(漫画の単行本7巻序盤まで)のネタバレを含みます。ご注意ください 炭治郎はなぜ心の病気を発症させることなく成長できたのか 『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎を襲った、母親と4人の弟妹が鬼に惨殺されるという出来事。さらに、唯一生き残った妹の禰豆子(ねずこ)は、鬼と化していた……。 こうしたトラウマとなってもおかしくない出来事を体験し、突如、日常が変化しても、なぜ炭治郎は、PTSD等の心の病気を発症させることなく、その逆境を成長へとつなげることができたのでしょうか? それは、危機下において心を守るために重要な、3つのストレス対処法を実践していたからです。 対処法1:どれだけ考えて