大規模な地震や台風などの災害が発生した際,携帯電話を使う上で最も大きな問題は何か。基地局やアンテナが壊れて使えなくなったりするという可能性もあるが,それよりも頻繁に発生する大きな問題がある。それは,通話規制により携帯電話がかかりにくくなることだ。 通話規制で輻輳によりネットワーク全体がダウンすることを防ぐ 大規模な災害が起こると,被災地の人々が互いに安否確認を行ったり,他の地域の人が被災地の人に対して安否確認を行うことが多い。このため,多くの人が一斉に携帯電話を使おうとする。通話の量が一時的に増えると,基地局をはじめとしたネットワーク設備の処理能力を超え,パフォーマンスが大幅に低下してしまう。このような状況に陥ることを輻輳(ふくそう)という。コンサートの予約や,新年のあいさつなどで通話やメールが殺到した際も,輻輳状態になることがある。 だが,輻輳が他の地域のネットワークにも連鎖的に広がると