暗号通信において防止しなければならない要素は、盗聴・改ざん・なりすまし・否認の4つであり、さらに具体的には、前述した8つの疑問を解決することでした。 なかでも重要なのは「なりすまし」の防止で、なりすましを防止しなければ他の要素もすべて防ぐことができなくなります。そこで前項では「デジタル署名」を用いて「なりすまし」を防ぐことができるかを検証しました。 しかし、デジタル署名だけでは「なりすまし」を完全に防ぐことができません。 デジタル署名は「秘密鍵」で暗号化している以上、送信者は秘密鍵を持つ本人で間違いないという考え方です。 しかしこれだけでは不十分で、 公開鍵がその人のものである根拠がない のです。 公開鍵は世間に公開するので、秘密鍵だけ大事に保管していればいいように思われがちですが、公開鍵暗号方式は鍵の作成者が本人であることを前提として成り立っています。 したがって、 公開鍵のなりすまし