競技を終えてカメラを前に笑顔の北海道エネルギーの山田雄太(手前)と荒井秀樹監督=北海道旭川市の富沢クロスカントリースキーコースで2021年12月25日、宮間俊樹撮影 北京冬季オリンピックや昨夏の東京パラリンピックの熱気が残る中、北京パラリンピックが3月4日に開幕する。障害がある人もない人も共生する社会の実現をうたうパラリンピック。なのに門前払いされている障害者がいる。なぜなのか。そして出場を目指す選手や指導者の思いとは――。 「試合がしたい」 2021年12月、北海道で開かれた全日本障害者クロスカントリースキー競技大会。全クラスで最多の9人が競った知的障害(ID)の部を制した山田雄太(35)は、体から湯気を立ち上らせて語った。「IDはパラリンピックで復活してないし、限られた試合しかない。すごく大変です」。立位や座位クラスの覇者はほぼ北京に挑むが、IDの部は20年以上除外されているため山田に