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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (14)

  • 静岡にいったことはありますか - 空中キャンプ

    帰りの電車のなかでおかしな男に絡まれた。きっかけは、閉まりかけのドアにわたしが飛び込んだことだ。むりに入ったので、閉まるときに、ひじのあたりががつんとドアにぶつかった。すると、近くにいた土木作業員風の若い男(坊主頭、ピアス)がわたしに向かって、「迷惑なんだよ、オイ」「オマエみたいな奴がいるとむかつくんだよ」と悪態をつきはじめた。もとはといえばわたしが悪いのだが、ややこしいことになった。 しばらく無視をしていたが、「聞こえてるんだろう、テメー」「オイ、このやろう」などと言い続けるので、しかたなく急いで別の車両に移動した。もう、まいったなあ。ところが、移動したとなりの車両でしばらく立っていると、あろうことか、そいつもわたしを追ってくるではないか。どうしていいかわからない。男は「逃げんじゃねえ、オイ、テメー」と因縁をつけてくる。うーん、ややこしすぎる。しばらくうしろを向いて立っていたが、さすがに

    twainy
    twainy 2009/06/03
  • もはや、ヤングではない - 空中キャンプ

    三十歳をすぎて何年かたったあたりで、わたしは自分が、ジーンズとTシャツがあまり似合わない男になったことを認めざるをえなくなった。ジーンズを履いたわたしは、「日曜にホームセンターへ買いものにいくお父さん」といった体である。若々しさに欠けている。なんだかとてもがっかりさせられる、残念な発見だった。 わたしはスニーカーも好きだったし、冬はダウンジャケットとブーツという組み合わせがかっこいいとおもっていた。しかし今となってみれば、そうした服装のわたしは、「すごく寒い日に、ダウンジャケットを着てホームセンターへ買いものにいくお父さん」にしか見えず、わたしはついに、ストリート系のファッションぜんたいを断念しなくてはならないという結論にいたった。 おもうに、たいていの人が考える「おしゃれ」とは、ようするに「若くてさわやかに見える」ということである。特に女性はそうだ。あるていど流行を意識しつつ、自分ほんら

    もはや、ヤングではない - 空中キャンプ
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    twainy 2008/10/18
  • 「問題は、躁なんです」/春日武彦 - 空中キャンプ

    春日武彦新刊(光文社新書)。うつ病とくらべて、注目されることのほとんどない「躁(そう)病」。わたしも躁病のことはあまり知らなかった。おもしろ人間の観察がライフワークとなっている春日が、怖いもの見たさと好奇心まるだしで書いた一冊。春日の解説を通して、躁病の実際を知ることができた。医学的な解説というよりは(春日は精神科医である)、躁病を通して人生のもの悲しさをふと感じさせる、味わいぶかいエッセイのような趣もあり、春日ファンのわたしはたいへん満足でした*1。 春日によれば、うつ病が「心のかぜ」なら、躁病は「心の脱臼」だという。あり得ないぐあいに関節が曲がり、糸の切れた操り人形のような途方もない動きを示す脱臼のような症状。心の箍(たが)が外れ、秘められていたあらゆる欲望が全開となり、自己抑制がゼロになり、見る者に異様な印象を与える。うわっ、なんだこの人は。このに書かれた躁病の症例をひとつひとつ読

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    twainy 2008/05/14
  • 「舞踏会へ向かう三人の農夫」/リチャード・パワーズ - 空中キャンプ

    小説家、リチャード・パワーズのデビュー作。「どうせ誰も読まないんだから、俺の知っていることをかたっぱしからぜんぶ書く」というコンセプト通り、テキストは2段組み400ページ以上という膨大なものになっている。パワーズを読むのははじめてでしたが、ここまで雑多な要素を注ぎ込みながら、歴史戦争/記憶についての巨大なクロニクルとしての強烈な魅力を放っているのにはほんとうにびっくりした。しかし、24歳でここまで書いちゃうのってすごい。しかもデビュー作にしてこのクオリティ。テキストぜんたいから、なにかに取り憑かれたような情熱を感じた。これ、30代じゃ書けないよなあ、たぶん。読み終えるのにも時間がかかりましたが(なにしろ登場人物が多く、彼らがみな複雑に関係しており、その相関をつかむだけでもメモを取る必要がある)、とても刺激的で充実した読書でした。 物語は、1914年と1984年というふたつの時代をくりか

    「舞踏会へ向かう三人の農夫」/リチャード・パワーズ - 空中キャンプ
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    twainy 2008/03/10
  • かしゆかより志ん生の方がかわいいよ - 空中キャンプ

    かしゆかってどんな子なのだろう。わたしはかしゆかに興味があったが、問題はかしゆかのことをあまりよく理解していないという点である。どの子がかしゆかなのか。Perfumeには、「髪のみじかい子」「ストレートのロング」「いつもかっぽう着の子」の三人がいることをわたしは知っていたが、かしゆかがいったいどの子かはよくわからない。あの、つねにかっぽう着、もしくはマタニティードレスふうの服を着ている子なのだろうか。 かんたんな調査の後、かしゆかは「ストレートのロング」であることがわかった。決め打ちでかしゆかファンになったわたし。かしゆかがどの子かも知らないまま…。しかし、誰かを好きになるというのは、えてしてそういうものだ。われわれは、相手の人間性など知らないまま、誰かに恋愛感情を抱き、事後的に相手について学習してから、過去の行為や感情をあらためて意味づけし直すことができる。過去は可塑的であり、観察者によ

    かしゆかより志ん生の方がかわいいよ - 空中キャンプ
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    twainy 2008/03/07
    『比較の対象が必要だとおもった。できれば、わたしになじみのある誰か。わたしがよく知っているのは志ん生である。』この飛躍っぷりに吹いたwww
  • 「自分探しが止まらない」/速水健朗

    速水健朗新刊(ソフトバンク新書)。おもしろかったです! 前作「タイアップの歌謡史」はやや趣味性のつよい題材でしたが、今回はより一般的、また誰もが興味を示すであろう旬な話題を取り上げ、タイトルや帯の扇情的な雰囲気もやる気じゅうぶん。全体が、売れる感に満ちあふれている。来たな、とおもった。中田英寿の引退メッセージを引用したイントロダクションから、「自分探し」というキーワードが様々に展開していく構成にもぐっときました。 とはいえ、わたしはこのを気軽に読める気がしなかった。「いるよねー、探しちゃってる人」と、のんびり嘲笑できる立場にはないような感じがしたのである。たとえばポジティブ・シンキングについて。速水はポジティブ・シンキングと自己啓発の関係性を指摘しているが、このあたりはちょっとどきっとしました。なぜならわたしは、ふだんから「良いことしか言わない」「ポジティブなこと以外はいっさい口にしな

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    twainy 2008/02/16
    『自分探し系の若者が痛々しいのは、彼らが必要以上にまじめなことである。テキトーとか、だらしないとか、ばかとか、そういうたぐいの子たちではないのである。』
  • 「ラカンはこう読め!」/スラヴォイ・ジジェク - 空中キャンプ

    スラヴォイ・ジジェク新刊。ついに、ジジェクが語る "How to read Lacan" である。結婚式には白のスーツでキメる男、ジジェク。あのスロヴェニアのおっさんが、ラカンを直接的に解説してくれるのだと期待が高まった。ラカンはきわめて難解だといわれている。巻末には、ジジェク人による読書リストがついているが、ラカンの主著「エクリ」について、「いきなりエクリを読みはじめても、何ひとつ理解できないだろうから」とはっきり書いている。何ひとつって、ねえ。なかなか踏み出しにくいラカン思想の第一歩をどうにか、という気持ちで、このを手に取りました。 とはいえこのは、「象徴界ってこういう意味ですよ」「対象aとはこれを指します」といったたぐいの解説ではまったくない*1。むしろ、ラカンを使えばどのように現実を解釈できるのか、ラカンを通じて見る世界はどのようなものなのか、ラカン思想の具体的な使用法とで

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    twainy 2008/02/07
    ラカン、ジジェク、大文字の他者
  • カート・ヴォネガットの「品川心中」 - 空中キャンプ

    このすてきな惑星には、男と女という二種類の生きものがいて、おおよそ男は79年、女は86年ほど生きることができる。宇宙の創造主がお染に与えた時間は、あと56年と8ヶ月ぶん残っていたが、お染には、残り時間を有効に活用しようという意志がなかった。なぜなら、生まれてからあるていど時間の経ってしまった生きものには、あまり価値がないというしきたりが、この惑星にはあったためである。彼女は、自分が生物としていちばん輝いている時間をすでに終えてしまったと考えていた。お染の職業は芸者だった。若い芸者たちが、自分のクライアントを次々に奪っていった。芸者とは、現金と引き換えに、しばらくのあいだ、歌や踊りや会話で男を楽しませる職業である。 残り時間を使い切るのがめんどうになった者には、自分のスイッチを切るという方法があった。みずからスイッチを切るのは、よくないことだといわれていたが、この惑星では、毎日たくさんの人が

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    twainy 2008/01/19
    面白い。ヴォネガットって読んだこと無いけどこんな感じなのか
  • 「のはなし」/伊集院光 - 空中キャンプ

    伊集院光のエッセイ80をまとめた新刊。いやー、これはおもしろい。声だして笑ったなー。職のモノ書きでも、ここまで笑える文章を書ける人はなかなかいないのではないだろうか。太田光もラジオで絶賛していましたが、たしかにこれはいい。渋谷パルコではさっそく平積みで売っていて、わたしはパルコでこのを買ったけど、あのおしゃれな空間は伊集院というキャラクターにまったくそぐわなくて実によかった。気がつくと、なんだかあっという間に読了してしまった。 このエッセイは、携帯電話会社がメールマガジンとして配信していた素材をまとめている。「週三回の配信、一度につき400字以上」というのが、連載の条件だったという。考えてみると、これはかなりしんどい。伊集院は、この連載を750回ほど続け、その中の80をよりすぐって一冊のにした。すごいよね、週三回のペースで750回続けるというのは(月に13回と仮定して、58ヶ月=

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    twainy 2007/10/31
    面白そうなので買ってくる
  • 「いつまでもデブと思うなよ」/岡田斗司夫 - 空中キャンプ

    ことによると100万部突破か、と言われている、岡田斗司夫のダイエットである。いぜんから読んでみたいとおもっていたのですが、じっさいとてもおもしろかったです。もちろん、痩身という目的で読むことを前提に作られているのですが、なによりも岡田が提唱する「レコーディング」という概念が、かんたんで誰にでもできる上にインパクトがつよく、ダイエット以外のいろいろなジャンルに応用がきくので、レコーディングおもしろいな、やってみようかな、という気にさせる。売れている要因のひとつには、レコーディングという発想、着眼点のよさがあるとおもう。ダイエットとしてだけではなく、ものごとを記録すること、レコーディングについて書かれたとして読んでもたのしいとおもいます。 もちろん、117kgあった体重が67kgになる、という経験のすごさもある。50kgやせるって尋常じゃないですからねー。自分のからだの43%がどこかへい

    「いつまでもデブと思うなよ」/岡田斗司夫 - 空中キャンプ
  • 2007-05-24 - 空中キャンプ

    最近、巷でちょっとだけ話題になっているアダルトビデオ、「もしも朝の通勤電車ががっついたベロキスをするカップルで満員だったら。」を見ました。これはレンタルされていないので、見るためにはDVDを買うほかなく、わたしは3,800円だして買ってきました。いくらか割高感がありますが、もう、すごく見たかったの。たまらないほどに。だから、渋谷の高架下にあるエロDVD屋さんの店内を、きわきわの集中力で探して、見つけてきました。監督は、二村ヒトシさん。名著、「モテるための哲学」*1の著者ですね。わたしは二村さんのにかなり傾倒しているので、このビデオもとてもたのしみにして見ました。いったいどういう内容か、DVDのパッケージにある説明文を転載します。 「身動きできない朝の通勤電車の中で、まず一組のバカップルが、人目もはばからずイチャつき、やがて濃厚な接吻を開始した。迷惑そうな、うらやましそうな周囲の人々。やが

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    twainy 2007/05/25
  • 空中キャンプ - 十代の子には、おかしなかっこうで歩きまわる権利がある

    よくでかけるとんかつ屋さんで、ゴスロリの女の子がとんかつをべているのを見かけた。彼女は、母親と一緒に店にきていて、なんだかたのしそうにわらいながら、とんかつをべていたのだった。彼女の服装は、どちらかといえば、ゴスの比重がつよく、ゴス7、ロリ3といったところで、いずれにせよとんかつ屋の雰囲気からはあきらかに浮いていたし、とんかつをべるにはいささか不向きな服装であることもたしかだった。また、ゴスロリととんかつという組み合わせにも、なんだか妙なものがあったが、それでも、わたしは彼女を見ながら、ゆかいな気持ちになった。彼女のとんがり具合が、心地よかったのである。もっととんがれ。もっとすごい服を。いっそのこと、できるだけ常軌を逸しためちゃくちゃな服、たとえば拘束衣とかでとんかつをべにくればいいのに。 十代の子には、おかしなかっこうで歩きまわる権利がある。道ゆく人がみなふりかえるような、奇抜な

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    twainy 2006/05/23
    同意。周囲の目をはばかる事無く自分というものを表現して欲しい、表出してみた自分がその辺のありふれた存在だったとしてもだ。
  • 空中キャンプ- 「イェルサレムのアイヒマン」を読む/第二回 -

    アイヒマンは、ナチスドイツで「ユダヤ人問題」のみを専門的におこなう、唯一の立場にあった男である。このテキストは、イスラエルでおこなわれた、彼の裁判についての記録という形式をとっている。600万のユダヤ人殺戮におおきく関与した男。1961年におこなわれたこの裁判は、世界中に注目され、ナチスのユダヤ人迫害の事実がひろく知られるきっかけにもなった。 ヨーロッパ中のユダヤ人を追いまわし、600万人を殺すという、「人間の理解を超える苦難」(p164)の中心にいた者が、いったいどういう人間なのか。おそらく、常識では考えられない精神の持ち主であろうと、誰もが考えるはずである。きっと、どんなおそろしいできごとにも、眉ひとつ動かさないような、尋常ならざる冷徹さを持っているのではないか。ところが、法廷に立ったアイヒマンの言動は、その予想をおおきく裏切るものだった。 ただのおっさんだったのである。 気がちいさく

  • 空中キャンプ - なんとなく働くという知恵

    25歳までふらふら遊んでいた、ともだちの女の子が、ついに就職することを決め、職探しをしているところだという。彼女の話をいろいろと聞いていると、とても興味ぶかく、社会経験のあまりない子たちが、「就職をする」ということをどうとらえているのか、わずかだが、わたしなりに気がつくことがあった。 何社か履歴書を送った、というので、会社名を教えてもらうと、「COACH、プラダ、エスティーローダ」。その子にとって、就職がどういうものなのか、会社名だけでもなんとなくわかる。そういった、きらびやかな会社に入ることが、彼女にとっての自己実現であり、それ以外のよくわからない仕事をするのは、単なる苦役のようなものであるらしい。うーん。気持ちはわかるのだが、働くということに対するイメージが、すこし貧しいように感じた。世の中にはたくさんの仕事があって、どれもがそれなりにおもしろい。どんな仕事だって、やってみればけっこう

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