毎年開催されている日米共同演習「ヤマサクラ」は今年も12月8日に開幕した。日米同盟は堅固だが、日米間には軍事情報に対する基本的意識の違いがある。(写真:米陸軍) これまで、日本には「反逆罪」の規定や「スパイ防止法」に類する独立した法律が欠落していることや機密情報漏洩への対処の緩さなどから、米軍関係者たちは、機密度の高い軍事情報を日米間でやり取りすることに危惧の念を抱いていた。この法律が施行されたことによって、彼らも少しは安堵しているようである。 ただし、軍事関連情報だからといって「なんでもかんでも『秘』指定にしてしまうことは決して好ましい傾向とは言えない」との危惧の念を口にしている人々も少なくない。 日米の実務現場で発生している機密指定の齟齬 特定秘密保護法が成立する以前も、米軍機関で防衛省・自衛隊と直接やり取りをしている部局では、日本側が「何でもかんでも『秘』指定にしてしまう」ことに当惑
清谷信一(軍事ジャーナリスト) 執筆記事|プロフィール|Website|Twitter [①|②|③] お粗末なインテリジェンスなき情報意識。防衛省に特定秘密保護法はマトモに運用できない。 昨今特定秘密保護法が話題になっている。筆者は基本的には賛成だ。現状国会では防衛関連の機密性の高い話でもその日の夕刊にダダ漏れている状態だ。官僚や政治家に守秘義務が徹底されていないからだ。このため安全保障関連の委員会でも秘密会議が持てない。これではマトモな国家ではなし、同盟国からも信用は得られない。 その一方特定秘密保護法に制定によるマイナス面もかなり大きい。問題は防衛省、自衛隊の過度の秘密主義である。これはとても民主国家の「軍隊」とはいえないレベルである。これを直さないと、情報保全は現在よりも悪化する可能性がある。またこのような過度の情報統制は外部からの目が届かないために、組織が自閉化して防衛省内部の情
自民党はもし今年7月の参院選で大勝すれば、憲法改正に進む構えだ。私は自民党が昨年4月に決定した「日本国憲法改正草案」のなかで、軍法会議の設置を想定していることは、草案中の重大な問題点の一つ、と考える。 軍法会議の問題点 たおか・しゅんじ 軍事ジャーナリスト。1941年、京都市生まれ。64年早稲田大学政経学部卒、朝日新聞社入社。68年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、同大学講師、編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和問題研究所客員研究員、AERA副編集長、編集委員、筑波大学客員教授などを歴任。動画サイト「デモクラTV」レギュラーコメンテーター。『Superpowers at Sea』(オクスフォード大・出版局)、『日本を囲む軍事力の構図』(中経出版)、『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』など著書多数。 自由民主党はもし今年7月の参院選で大勝すれば、まず憲法96
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