昨今の世界的なSkeptic団体の活動は、主にマイクル・シャーマーとランディによってだが、デバンキングとクリティカルシンキングの二本柱とプラスいろいろである。 本書は、その二本柱の片方―懐疑論的クリティカルシンキング―の土台的な意味を持っており、非常に判り易くまとまった良き教科書となっている。 だが、各ステップの正当化や個別事例の掘り下げは甘く(あくまで「思考方法」が主眼なので当然だが)読者が事前に懐疑論の文脈を正当化できていないと、この思考方法を有意義に吸収し消化するのは難しいかもしれない。というか貴方がビリーバーならば退屈な話に思うかもしれない。それでも、誤った否定論への注意も当然押さえているし、私はこれほどまでに「常識的懐疑論」を体系的に構築した議論を見たことがない。 認知心理学や誤謬に関する哲学の議論などに基づいた、懐疑論的クリティカルシンキングの基礎として大変に有用である。このク