佐藤友子さん(36)=仮名、名古屋市=は、小中学生三児の母。二年前に離婚し、その後、ヘルパーの資格を取得。パート職員として、高齢者のデイサービスセンターで働いている。 三月までは、一日八時間、週四日の勤務で、給料は月十二万円ほど。賃貸住宅の家賃だけで約七万円かかる。所得と子どもの数に応じ、国から支給される児童扶養手当などの公的支援が不可欠だ。 一般に母子家庭は、所得が少なくなりがちだ。厚生労働省調査では、二〇〇五年の母子家庭の平均所得(総所得)は二百十三万円で、全世帯平均の四割にも満たない。八割以上が就労しているものの、生活保護や児童扶養手当を除く就労収入は百七十一万円にすぎない。 神戸学院大の神原(かんばら)文子(ふみこ)教授(社会科学)によると、雇用慣行のために結婚、出産で仕事を辞める女性が多いのが原因だ。 「その後の就職先は、低賃金で不安定な非正規雇用が多くなる。保育環境が不十分なた