世界一の長寿命国といわれる日本。だがひょっとすると近い将来、その地位から転落するかもしれない。経済格差が拡大するにつれ、“健康格差”の影が広がりつつあるからだ。 「医療費が支払えず相談に来られる方で、重度の糖尿病を患っているケースがけっこう多いんですよ」 と打ち明けるのは、石川県にある総合病院のソーシャルワーカー、Aさん。糖尿病といえば、“金持ち病”というイメージがあるが、Aさんは「むしろ、貧困を抱える人に多いのでは」と言う。 「独り暮らしのワーキングプアはお金がないと、安いジャンクフードでおなかをふくらませるしかない。そんな生活をずっと続け、体重が増えてしまった人は結構見受けられますよ。その結果、糖尿病や心臓疾患を患う方が少なくないですね」 米国や英国ですでに健康格差が存在するのは周知の通り。低所得者層は食生活や健康管理に気を配る経済的ゆとりはなく、肥満になりやすいという。同じようなこと