左派復活のためには新しい思想が必要だ――イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト(1) - 10/02/05 | 16:50 20年前、ベルリンの壁が破壊されソビエト帝国が崩壊したとき、共産主義のユートピアをかたくなに信じていた人々は惨めな思いを味わった。 しかしながら、1989年は活気に満ちたときであった。人々は、自由と正義が燎原の火のように拡大する新しいリベラルの時代の到来を夢見た。だが、20年経った今、それが間違いであったことが明らかになった。 欧州の国々では、排外主義的な大衆迎合主義が忍び寄っている。社民党は勢力を失い、右派の扇動主義者がイスラム主義者から“西欧の価値”を守ると声高に叫んでいる。 最近、ソビエトの最後の大統領だったゴルバチョフ氏が「西欧資本主義は古い敵を倒し、自らを世界の進歩を具現化する存在であると思っていた。だが、実際には世界を歴史的な袋小路に追い込