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ブックマーク / sangencyaya.hatenadiary.com (7)

  • 私家版2010年海外ミステリ ベスト10 - 三軒茶屋 別館

    年末ですので書評サイトらしく一応2010年のベスト海外ミステリなんぞを挙げてみます。ちなみに私家版です。刊行年数などにかかわらず私が2010年に読んだの中から選ばせていただきましたのであしからず(順位も付けていません)。 閉じた 閉じた (創元推理文庫) 作者: ギルバート・アデア,青木純子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/12/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 46回この商品を含むブログ (25件) を見る 去年の12月に刊行されたですが、あくまで私家版ベストなので。会話文と独白のみで地の文がないという特異な構成で語られる緊迫の物語。盲目の作家からの視点による語りは、文字によってのみ情景が読者に伝えられる小説という表現方法の魅力と怖さを浮かび上がらせます。 【関連】『閉じた』(ギルバート・アデア/創元推理文庫) - 三軒茶屋 別館 殺す者と殺される者

    私家版2010年海外ミステリ ベスト10 - 三軒茶屋 別館
  • 『ベツレヘムの密告者』(マット・ベイノン・リース/ランダムハウス講談社文庫) - 三軒茶屋 別館

    ベツレヘムの密告者 (ランダムハウス講談社 リ 5-1) (ランダムハウス講談社文庫) 作者: マットベイノンリース,小林淳子出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る 書における犯罪はすべてベツレヘムで実際に起きた出来事に基づいている。個人情報や事件の背景の一部は変更されているが、殺人者は実際にこのように殺し、死者もまたこのように死んでいった。 (書p4より) 2008年の英国推理作家協会新人賞受賞作品です。 デスゲームと呼ばれる作品があります。ミステリ史的に考えますと、そうした作品はもともとはクローズド・サークル(参考:クローズド・サークル - Wikipedia)ものから派生したものと考えられます。クローズド・サークルとは”吹雪の山荘”や”嵐の孤島”といった外界と

    『ベツレヘムの密告者』(マット・ベイノン・リース/ランダムハウス講談社文庫) - 三軒茶屋 別館
  • 青空文庫で読む”文学少女” - 三軒茶屋 別館

    “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) 作者: 野村美月,竹岡美穂出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2006/04/28メディア: 文庫購入: 20人 クリック: 312回この商品を含むブログ (602件) を見る 自分メモがてら”文学少女”シリーズに登場する文学作品のタイトルを抜き出して、その中から青空文庫に収録されている作品についてはリンクを貼ってみました。 表の見方ですが、作中に少しでもタイトルが出てきたものはすべて表に加えました。タイトル表記にぶれがあるものについては作中の表記を優先しました。また、青空文庫内に複数のファイルが収録されている場合には、旧字よりは新字を、旧仮名よりは新仮名を優先しました。 外国人作家の表記についてですが、名と氏を結ぶ文字が、編『神に臨む作家』までは「=」、それより後は「・」が使われています。面倒だったので、ここではすべて「・」で

    青空文庫で読む”文学少女” - 三軒茶屋 別館
  • 私家版2008年海外ミステリ ベスト10 - 三軒茶屋 別館

    年末ですので書評サイトらしく一応2008年のベスト海外ミステリなんぞを挙げてみます。ちなみに私家版ですので、刊行年数などにかかわらず私が2008年に読んだの中から選ばせていただきましたのであしからず(順位も付けていません)。 ロジャー・マーガトロイドのしわざ ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808) 作者: ギルバート・アデア,勝呂忠,松依子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/01/11メディア: 新書購入: 1人 クリック: 36回この商品を含むブログ (34件) を見る 古典ミステリですが新格みたいな問題意識(ユーモア感覚)に溢れています。人工的な構成とお洒落な雰囲気が楽しい格好きにはオススメの一冊です。 【関連】『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』(ギルバート・アデア/ハヤカワ・ポケット・ミステリ) - 三軒茶屋 別館 検視審問―

    私家版2008年海外ミステリ ベスト10 - 三軒茶屋 別館
  • 『うみねこのなく頃に』好きにオススメのミステリ小説 - 三軒茶屋 別館

    【うみねこのなく頃に】うみねこのなく頃に メディア: おもちゃ&ホビー クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見る(注:今回の記事は半分私信です。) さて、友人にしつこく勧められて『うみねこのなく頃に』(公式サイト)というサウンドノベル*1をプレイしてみたのですが、なるほど。なかなか面白いですね。 ちゃんとした考察とかは後日改めて行ないますので、とりあえずの返礼として『うみねこのなく頃に』好きにオススメしたいミステリ小説を4冊ほど紹介させていただきます。可能であれば次に会うときまでに読んでおいて下さいな。プリズム (創元推理文庫) 作者: 貫井徳郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2003/01/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (92件) を見る ミステリー的な現象には、無限の可能性があっていいはずという視点に立ったミステリとい

    『うみねこのなく頃に』好きにオススメのミステリ小説 - 三軒茶屋 別館
  • 青空文庫で読む探偵小説論 - 三軒茶屋 別館

    最近、青空文庫の探偵小説関連のテキストがかなり充実してきています。そこで今回はその中から探偵小説(推理小説)論(エッセイ・小文を含む)を自分メモついでにまとめてみました。 作家 作品 芥川竜之介 ポーの片影 井上良夫 J・D・カーの密室犯罪の研究 岡綺堂 半七捕物帳の思い出 黒岩涙香 探偵物語の処女作 甲賀三郎 ドイルを宗とす 小酒井不木 江戸川氏と私 国枝史郎氏の人物と作品 ヂュパンとカリング 「心理試験」序 毒と迷信 「二銭銅貨」を読む ポオとルヴェル 「マリー・ロオジェ事件」の研究 歴史探偵小説の興味 科学的研究と探偵小説 坂口安吾 私の探偵小説 探偵小説を截る 推理小説について 推理小説論 フシギな女 寺田寅彦 ある探偵事件 科学と文学 中井正一 探偵小説の芸術性 南部修太郎 探偵小説の魅力 野村胡堂 随筆銭形平次 捕物帖談義 随筆銭形平次 捕物小説について 浜尾四郎 殺人狂の話

    青空文庫で読む探偵小説論 - 三軒茶屋 別館
  • 夢野久作が挿絵と闘った話 - 三軒茶屋 別館

    脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク (ガガガ文庫) 作者: 佐藤大,わんぱく,夢野久作出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/07/18メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 155回この商品を含むブログ (39件) を見る ガガガ文庫の作品には、”跳訳”と呼ばれる試みが行なわれているものがあります。名作古典をライトノベルとして現代に甦らせた作品のことですが、その中のひとつに、夢野久作の短編『人間レコード』を主たる原作とした『脳Rギュル』があります。短編が長編に膨らまされているため*1、コンセプトとなるアイデアには共通性が感じられるものの、時代背景や登場人物・人間関係を始めとするストーリー自体は”跳訳”者である佐藤大のオリジナルといっていい仕上がりになっています。 一方で、いわゆるライトノベルと呼ばれる作品にはイラストが付き物なわけですが、そちらの方にはかなり頭を悩まされたので

    夢野久作が挿絵と闘った話 - 三軒茶屋 別館
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