縄文時代から弥生時代の古代日本人が、おもに何を食べていたかは、貝塚や集落遺跡の調査を通じて次第に明らかにされつつある。 縄文時代の食物については、大森貝塚の発見以来、貝塚の調査が主流であったこともあり、とかく魚介類に焦点があてられがちであったが、内陸部の縄文集落の遺蹟調査が進むにつれて、縄文人の食生活の全体像が明らかになってきた。 縄文時代は基本的に食物採集の文化であったといえる。縄文人たちは採集した食物を食べ、余ったものは穴や屋根裏に貯蔵して、必要に応じて取り出したものと思われる。貯蔵されていた食物の内訳は、クルミ、クリ、トチ、ドングリなどの堅果類が中心である。このことから、縄文人の主食はこれら堅果類であったと推測される。なかでもドングリ類の比重が高かったものと思われる。 これら堅果類を縄文人たちはどのようにして食べていたのだろうか。クルミとクリはあくが少ないので、そのままでも食べられる