――名探偵ゲーデル先生のところに、今日も助手のカンパネルラ君がやってきました。 ゲーデル やあ、カンパネルラ君。あいかわらず金利生活者みたいなナリして。今日はいったいどうしたんだい? カンパネルラ 先生を真のプロレタリアートと見込んで聞きたいことがあるんです。 ゲーデル ハラショー! おだやかじゃないね。また誰かにいじめられたのかい? カンパネルラ ぐすん。どうしてそう思うんですか? ゲーデル だって君の上着の裏ポケットから、涙でくちゃくちゃになった「帝国主義論」がのぞいているじゃないか。 カンパネルラ 先生こそ、そのスリッパ、マオ・カラーですよ。それでぼくが聞きたいのは「史的唯物論」のことなんです。 ゲーデル 「史的唯物論」というのはね、社会学のことなんだよ。 カンパネルラ この大うそつき! なんだって、そんなデマを。 ゲーデル 本当だよ。ロシアの革命家ブハーリンが「