ミケランジェロ作の彫刻やモネの絵画を見たとき、私達は何を思うか。 実物から圧倒的なパワーは伝わってくるが、多くの人がもつ印象は、へえーとか、何かわからないけどすごいなあ程度ではないか。しかしそれは感性の不足ではなく、絵画の見方を知らないだけだ。 ではどうやって見ればよいのか?と思う人にとって本書を強くオススメする。我々日本人は、美術品は感性で好きなように鑑賞すればいいと思っている傾向がある。しかし本書は「美術は見るものではなく読むもの」と断言している。筆者はカリフォルニア大学バークレー校にて美術史学士号を修得した西洋美術史家だ。 本書によると、美術は理性的であることに重点を置いた西洋文明の産物だという。特に近代以前の西洋美術は、なんとなくの「好き」や「感動する」といった、感性レベルの鑑賞は見たことにならない。まずは西洋美術を生んだ政治/経済/宗教の歴史を理解し、作品を正しく見ようではないか
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