国立社会保障・人口問題研究所 部長 阿部彩 日本の所得の分布は、この30年間で大きく変化しています。かつて、日本は「国民総中流社会」と呼ばれましたが、今、日本はかつてないほどの「格差社会」に変容しています。ジニ係数と呼ばれる、社会全体の格差を表す指標で見ると、日本の格差はOECD諸国34ヶ国の中で、悪いほうから数えて10番目となります。同じく、相対的貧困率で見ると16.1%と、6人に1人が貧困状態にあると推計されています。 これは男性の年齢層別の貧困率です。1985年に比べて、2012年においては、60歳より下の年齢層の貧困率が増加し、65歳以上の年齢層の貧困率が減少していることがわかります。特に気になるのが20-24歳をピークとする子どもおよび若い男性の貧困率の高さです。かつて、日本の貧困は高齢者の問題と考えられてきました。しかし、現在は、男性のライフコースの中で、もっとも貧困のリスク
![視点・論点 「子どもの貧困対策 問われる"覚悟"」 | 視点・論点 | 解説委員室:NHK](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/413bc66c6b0e6f349e13d2d6b813d6a6277be99e/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.nhk.or.jp%2Fkaisetsu-blog%2Fimage%2Fs150318_01.png)